スポーツ

蛯名正義氏が厩舎開業 日本競馬2541勝騎手がゼロからのスタート

2020年に調教師試験に合格した名手・蛯名正義氏

2020年に調教師試験に合格した名手・蛯名正義氏

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏による週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、3月1日という競馬界の新学期を迎え、自身の調教師スタートとこれからついてお届けする。

 * * *
 3月最初の土日開催では、新人ジョッキーがデビューし、新人調教師の開業厩舎からも何頭か出走があったはずです。しかし、この原稿をまとめている時点の予定では、僕の“調教師デビュー”は少し先になりそうです。

 3歳以上の管理馬は藤沢和雄厩舎の素質溢れる馬32頭を「転厩」という形で引き継ぐことになりました。馬にしてみれば、蛯名正義厩舎の開業日がスタートではありません。彼らの競走馬人生はすでに始まっています。僕に課せられた使命は、これまで通りに接すること。それ以上でも以下でもありません。

 馬主さんの意向もあり、すべての馬を引き継いだわけではありません。それでも重賞勝ちのあるレイエンダやゴーフォザサミットから、3歳で2勝しているレッドラディエンスやレッドモンレーヴ、バスマティまでとびきりの馬ばかりです。藤沢先生が長い間かけて築き上げてこられた信頼と実績の賜物です。

 僕は新人調教師ということで16馬房からのスタート。通常は20馬房ですが、実績や経験を重ねたベテラン調教師になるとさらに増えていきます。現在では矢作芳人厩舎の30馬房が最高です。僕が研修をしていた藤沢和厩舎も28馬房ありました。馬房数が増えれば、その分スタッフの数も増えていきます。

 もうすぐレースに出走する馬や、レースを終えたばかりの16頭が美浦トレーニング・センターの「蛯名正義厩舎」にいます。

 6月以降にデビューする2歳馬については昨年からセレクトセールや日高のセリに出かけ、馬主さんの意向を受けて僕自身が落札した馬もいます。また馬主さんが欲しかったという馬も引き受けます。クラブからの依頼もあります。昨年の募集時には「新規開業厩舎」となっていたはずです。僕を信頼してくれて預けてくれるし、いい馬が多くて事務手続きなどもスムーズです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下の「慰霊の旅」に同行された愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、皇室とご自身の将来との間で板挟み「皇室と距離ができればこうした仕打ちがある」という前例になった眞子さんの結婚 将来の選択肢を“せばめようとする外圧”も 
女性セブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
「ピットブル」による咬傷事故が相次いでいる(左・米軍住宅参考画像)
《沖縄で相次ぐピットブル事件》「チェーンを噛みちぎって引きずった痕も…」自治体が狂犬病の予防接種すら把握できない“特殊事情”「米軍関係者の飼い犬だった」 
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルの飛行機でスヤスヤ》佳子さまの“寝顔動画”が拡散…「エコノミークラス」に乗った切実な事情
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン