昨今YouTuberが人気だが、将棋界からもYouTubeで活躍する棋士が登場している。都成竜馬七段(となり・りゅうま、32才)は、YouTube公式チャンネル「都成竜馬とゆく」を開設して、将棋の魅力を発信中だ。都成七段に話を聞いた。
「将棋好きの父や兄の姿を幼い頃から目にしているうちに、自分も将棋に興味を持ちプロを目指したいと思うようになりました。将棋の世界は独特で、プロになるためにはまず奨励会という養成機関に所属しないといけないのですが、奨励会にはプロの推薦がないと入れない。そこで谷川浩司先生に手紙を書いて弟子入りし、小学5年生で関西奨励会に入会しました。
小中学生の頃は奨励会も遊びの延長のような感覚でしたが、高校生になり大阪に出てきてからは意識も変わり、本気で取り組むように。そこから割と順調に三段に昇段したので、このままいけばそのうちプロになれると思っていました。しかし現実はそう上手くいかず…。23〜24才の頃は後輩にもどんどん先を越され、暗黒期でした。
結局、年齢制限ギリギリの26才でプロになることができました。“プロになれなくても仕方ない”と腹をくくって、淡々と対局に集中したのがよかったのかもしれません。
いまは藤井聡太さんのご活躍もあり、将棋に興味を持つかたが増えていてとてもうれしいです。将棋は知れば知るほど奥が深いゲームなのですが、最初からいきなりそこに興味を持つのは難しい。“ちょっと興味が出てきた”というかたに魅力を伝えていくのが、我々の役目だと思っています」
Q.休日の過ごし方は?
「妻と近所を散歩したりしています。結婚前はけっこうめちゃくちゃな生活で、自炊もせず朝まで飲む……みたいなことも多かったのですが(笑い)最近はゆっくり健康的に生活できています」
【プロフィール】
都成竜馬(となり・りゅうま)/棋士番号304。1990年1月17日生まれ、宮崎県出身。2000年9月に奨励会に入会し、2016年4月にプロ四段となる。
撮影/恵原祐二
※女性セブン2022年3月24日号