いつ発生するかわからないのが大地震というもの。たとえば、車で走行中に被災する可能性もある。そういった場合は、焦るかもしれないがまずは落ち着こう。危険なのは、すぐに車外へ出ること。車にひかれたり、落下物などでけがをするリスクがあるからだ。日本自動車連盟交通安全インストラクター・内海大輔さんは、こう話す。
「高速道路や一般道路、トンネル内や橋の上でも、とにかくハザードランプをつけてゆっくり速度を落とし、道路の左に車を止め、揺れが収まるのを待ちます。その間、ラジオなどでニュース、道路交通情報をチェック。この情報収集が次の行動の判断基準になります」
揺れが収まったら、状況を見ながら行動しよう。歩道などを通って徒歩で道路外へ避難する場合は、車を置いていく。ただし、津波や土砂災害の警報が出ていて、車で避難できるようなら、それも手段の1つと覚えておきたい。
「車を置いて避難する場合、窓を閉め、エンジンを切ります。そして鍵をドリンクホルダーなど、すぐわかる場所に置き、扉のロックはかけないようにします。可能なら、連絡先を書いた紙も車内に置いておくと、車を移動させないといけないときなどに連絡してもらえる場合もあります」(内海さん)
トンネルの中や橋の上を走行中に地震発生…
「車の専門家としては、トンネルや橋の出口付近にいたらそこを出た先にあるスペースに停車することをおすすめします。中央付近にいるときは、原則通り道路の左側に停車。その後、車が流れ始めたら通り抜けます。トンネルの出入り口が土砂などで埋まっても、非常電話や非常出口があるので落ち着いて行動を」(内海さん)
ガソリンスタンドで給油中に…
「ガソリンスタンドは、厳しい建築基準をクリアしているため、一般的な建物よりも耐震性や耐火性がすぐれています。火事になっても地下に埋められたガソリンタンクに引火しないよう、厚いコンクリートで覆われています。ですから慌てず、揺れが落ち着くまでスタンド内で車内待機をした方が安全です」(内海さん)