3月25日に今季のプロ野球が開幕するが、昨シーズンは史上稀に見るほどにルーキーが豊作だった。新人ながら大活躍した選手たちにとって気になるのが、翌年に成績が残せなくなる「2年目のジンクス」だろう。ルーキーイヤーのような活躍ができなくなることには、何か理由があるのだろうか――。
昨季のセ・リーグの新人王争いは非常にハイレベルだった。最終的に新人王を獲得した広島の栗林良吏はストッパーとして53試合に登板。新人最多記録タイとなる37セーブをマークする文句なしの成績だった。他にも、DeNAの牧秀悟が新人としては初となるサイクルヒットを記録し、チームの4番も打った。清原和博以来となる新人での3割・20本超えは見事と言うほかない。
そして、前半戦のチームの快進撃とともに鮮烈な印象を残したのが阪神の佐藤輝明だろう。後半戦は苦しんだものの、シーズン序盤にホームランを量産して52年ぶりとなる球団新人記録を更新してみせた。本誌・週刊ポストの3月18日発売号では、野球評論家の江本孟紀氏、中畑清氏、達川光男氏が開幕目前となった今季の展望を語る座談会を開催しているが、取材現場では「サトテルの2年目」にも注目が集まっていた。
江本氏:佐藤は、意外とスタミナがないんじゃないかと思う。キャンプの後半もオープン戦の後半も、疲れてきたら極端に三振が多くなる。スイングが鈍くなる。
達川氏:集中力がないかもしれないね。前日まで打っていたのに、急に打てなくなる。佐藤だけでなく、阪神全体がそんな感じですけど。
中畑氏:うーん、スタミナがないというイメージはないけどね。
江本氏:そこが問題なんだよね。いかにもスタミナがありそうなごっつい顔しているじゃない。体もがっちりしているのに、意外とやっているとこんなにスイングが鈍いのって。
中畑氏:メンタルかなという気はするね。崩されかけてからの弱さというのは、メンタルが弱いのかなと……。
3人はそういった課題点に言及した後、「2年目のジンクスの正体は何か」という方向に話題が広がっていった。