春の気配が一変し、冬に引き戻されたような寒さだった3月中旬の夜7時半、都心にある高級そば割烹店の個室に1組の男女がいた。時折、部屋に響くふたりの笑い声が親密さを物語る。部屋にいたのは、市川海老蔵(44才)だった。旬の素材を使った1万円を超す高級コースを堪能。締めには10種類以上のそばの中から名物の「せいろ」を揃って注文し、デートを楽しんでいた。
本来ならこの日、海老蔵は大阪にいるはずだった。主演する『六本木歌舞伎』の大阪公演が予定されていたからだ。しかし、メインキャストの新型コロナ感染が判明し、公演は中止に。座長の海老蔵も慌ただしくPCR検査を受けた。公演中止が決まると、海老蔵は自身のブログに次のようにつづった。
《楽しみにしてくれていた皆さんには、本当に本当に申し訳ないと思っています。(中略)六本木歌舞伎も大千穐楽を迎える事が出来ず、心から残念ではございますが、誰が悪い訳ではないので、皆様にもご理解頂けましたら幸いです。》
その言葉には、悔しさがにじんでいたが、内心はどうだったのか。ぽっかりとスケジュールが空いても、3月末にはまた別の公演を控えている。これ以上の中止でファンを落胆させないよう、海老蔵は感染対策を徹底しているもの──と思われたが、実際には女性と食事をともにし、その夜の逢瀬は深夜まで続いた。
ふたりが店を出たのは夜9時頃。小雨がぱらつく中、短パン姿でノーマスクの海老蔵に、明るく染めた巻き髪が印象的な若い女性が続く。高級外車に乗り込むと、海老蔵の運転で、芸能人御用達のダイニングバーに移動した。過去に海老蔵がテレビ番組で「お気に入り」として紹介したことがある店だ。
ところが、海老蔵たちが到着する直前に、閉店。その夜はまだ「まん延防止等重点措置」がとられており、都内の飲食店はアルコール提供の有無にかかわらず、夜9時閉店が求められていた。だが、歌舞伎界の大スターには“融通”が利くのだろう、海老蔵と女性は閉まったはずの店内の一角に腰を据えた。
ちょうどその頃、海老蔵はブログを更新した。《食べてました》というタイトルで、焼いた白子の写真とともに、《白子。。食べて寝るべ》と投稿。だが実際には、それからたっぷり店で2時間半。日付が変わる頃になって店を出ると、海老蔵は女性を助手席に乗せてレインボーブリッジを渡り、高級ホテルまで送り届けた。