2001年12月のご誕生以降、皇后雅子さまと愛子さまを何度も苦難が襲った。そのたび、母子は支え合い、困難をともに乗り越えられた。愛子さまの成年会見で、娘から母へ送られた20年越しの感謝のお気持ち──。
堂々と、それでいて和やかに会見に臨まれた愛子さまのお姿を、雅子さまはすぐお近くで、どのようなお気持ちでご覧になっていたのだろう。3月17日、天皇家の長女・愛子さまの成年にあたっての会見が開かれた。
「愛子さまは、事前に宮内庁担当記者たちから寄せられた5つの質問に対し、ご自身で回答を考えられました。両陛下からアドバイスを受けられはしましたが、大部分が愛子さまの“心からのお気持ち”でした」(宮内庁関係者)
事前に両陛下とリハーサルを行った上で迎えられた本番。皇居・御所内の会見会場のすぐ近くの別室には、雅子さまの姿があったという。
「雅子さまは愛子さまを全面的に信頼されています。あれだけの準備をしたのだから大丈夫だと勇気づけて送り出されたはずです。娘の晴れ舞台を近くで見守りたいという母心の一方、ご心配もおありだったでしょう。もしかすると、雅子さまは愛子さま以上に緊張されていたかもしれません」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまの初会見は順調に進んだ。会見では、5つの事前質問のほかに、関連質問が3つ投げかけられた。関連質問への回答はその場で考えねばならない。つまり、雅子さまもサポートできないのだ。そうして迎えた会見の終盤、愛子さまが口にされた言葉は、雅子さまの心を大きく揺さぶるものだった。
会見は14時過ぎに始まった。その映像は終了から数時間以内に公開された。
「成年会見は誕生日前に行われ、誕生日当日に内容が解禁されるのが通例でした。今回のような“即時解禁”は例がありません。また、秋篠宮家の眞子さんと佳子さまの成年会見が15分程度だったのに対し、愛子さまの会見は約30分と長丁場でした。それでも集中力を切らされることはなく、受け答えには非の打ちどころがなかった。異例の成年会見でしたが、これほどまでの完璧な立ち居振る舞いは、さすが『天皇家の長子』と言うほかありません」(皇室記者)
ご出産後の子育てへの戸惑い
米ハーバード大学、東京大学を経て外務省に入省され、外交の第一線で活躍してこられた雅子さま。皇室に嫁がれたのは1993年6月だった。2001年に愛子さまを出産されると、日本中が祝賀ムードに包まれた。翌年4月に行われた会見は、生後間もない愛子さまへの愛情がにじみ出たものだった。
「初めて私の胸元に連れてこられる生まれたての子供の姿を見て、本当に“生まれてきてありがとう”という気持ちで一杯になりました」