夏の参院選まで3か月あまりに迫り、大型連休前後は政治資金集めパーティラッシュだ。4月26日に茂木派、5月16日には二階派など、各派や候補予定者たちがパーティーを予定している。
ある自民党議員の事務所スタッフは、送られてきたパーティーの案内状を見て違和感を感じたという。ズラリと並ぶパーティー発起人のうちの1人の名前が、わざわざ修正テープで消されていたからだ。発起人名の訂正など珍しい。何事が起きたのか。
確認のために慎重に修正テープを剥がしてみると、そこには、「二階俊博」という名前があった。やっぱり──。
この案内状は夏の参院選で改選を迎える片山さつき・自民党総務会長代理が4月11日に開催する政経セミナーのもの。会場はホテルニューオータニ「鶴の間」、安倍晋三・元首相の「記念講演」が行なわれることが書かれている。
片山氏といえば、二階派からの退会をめぐってこの2月に大騒動が起きたばかりだ。二階派は片山氏が昨年12月から派閥の会合に出席せず、安倍派入りの観測が流れていたことから、2月21日に「二階派に所属する国会議員の信用を著しく失うものであり、かつ何ら是正も見られない」という内容の異例の退会勧告通知書を送ると、片山氏は2月23日に「事実関係を訂正する」と“緊急会見”し、「昨年12月24日に二階先生に(退会の意思を)はっきりお伝えした」と反論。
「(通知は)完全に嫌がらせ」「明確に(派閥を)離れるという人に、後ろから石を投げている。身に覚えのないことで。これは完全に人権侵害」などと二階派の対応を猛然と批判した。それに対して二階派も片山氏の主張に「事実無根」と再反論するなど泥仕合となり、二階派との関係がこじれまくっている。
そうした経緯があるだけに、片山氏のパーティーの案内状の発起人から二階俊博・元幹事長の名前が消されていたことも、さもありなんと受け止められたのだ。もっとも、案内状の発起人には二階派会長代行の中曽根弘文・元外相の名前があり、修正テープで消されていたのは二階氏の名前だけだ。二階氏から発起人を断わられたのか、それとも片山氏の判断で消したのか。
「どこからもクレームなど入っていません」
片山氏が名前が消えた経緯を詳細に説明してくれた。