ライフ

73歳・鎌田實医師が目指す「90歳になっても現役」 野菜の食事と筋トレが重要

「90歳になっても現役でいられる体を目指す」について語る鎌田實医師

「90歳になっても現役でいられる体を目指す」について語る鎌田實医師

 地域住民への地道な指導で“健康の底上げ”に成功してきたのは、医師・鎌田實氏だ。今、73歳となり「90歳になっても現役でいられる体を目指す」鎌田医師に、その秘訣や今の思いを聞いた。

 * * *
地域ぐるみの筋トレが長寿率を一気に高めた

 健康づくりは長生きのため、と誰もが信じている。しかし、僕がスクワットをはじめとする筋トレを続けているのは、「生活の質」を高めるため。自分自身いつ死んでもいいと思っているけれど、生きている限りは元気でいたいのだ。

 13年前にテレビ番組で黒柳徹子さんとご一緒したとき、僕が「スクワットがいいですよ」とお勧めしたら、彼女の返事は「あら、私やってるわよ」。ジャイアント馬場さんから教わったヒンズースクワットを、すでに日課とされていた。当時はまだスクワットをやっている女性が少なくて、歳を重ねても頭脳明晰な今日の徹子さんの姿を拝見すると「スクワット効果かな」と思えてくる。

 長野県の諏訪に医師として赴任した48年前、ここは脳卒中多発地域で平均寿命も短かった。そこで、「減塩」「野菜とタンパク質をしっかり摂取」といった食生活指導のほか、「歩け歩け運動」や“貯金”ならぬ「“貯筋”運動」を推進。結果、長野は平均寿命日本一の県にまで上りつめた。

 今では佐賀でも健康塾「がんばらない健康長寿実践塾」を開き、健康指導を行なっている。中高年を中心とした1000人ほどの塾生に向けて筋トレを勧めてきたところ、コロナ禍で外出が制限されたここ2年間でも、彼らの俊敏性、歩く速さ、認知機能はほとんど低下しなかった。

筋トレ継続のコツは「がんばらない」

 年齢を重ねて体の機能が低下したり、ストレス解消のため過食気味になったりすると、人は動脈硬化になりやすい。動脈硬化は、慢性炎症のひとつ。もともとがんになりやすい遺伝子を持っていない人でも、慢性炎症ががんの発症や悪性化のリスクを高めることも。さらには認知症もやはり炎症との関係が指摘される。この炎症を防ぐために必要なのが、抗酸化作用のある野菜をいっぱい食べることと、筋肉運動なのだ。

 野菜は、「いつものみそ汁にあれこれ入れて具沢山にする」「ミキサーにかけてジュースにして飲む」といったアイデアで、案外と簡単に摂取できる。肥満の人も、むやみにダイエットするよりは、まず筋トレを。はじめはさほど体重は減らないが、時間をかければゆっくりと脂肪が筋肉に変わっていく。かくいう僕も食べることがものすごく好き。でも、修行僧のような食事制限はしない。以前は体重が80kgだったのが、10年以上前から筋トレに力を入れてみたら、今はベスト体重の72kgを完全にキープできている。

 筋トレのコツは、がんばらないこと。がんばりすぎると続かない。たとえばテレビを観ていて、コマーシャルになったら別記事で紹介する運動をひとつ選んでやってみて。僕の運動はどれも3分以内で終わるからちょうどいい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン