まだまだ光明の見えない阪神タイガース。4月5日には10試合目にしてようやく今季初勝利をあげたが、チームの課題は山積している。開幕7連敗以上の球団の最高順位は広島(1954年)とロッテ(2002年)の4位。阪神は早くも“V確率0%”どころか、“CS出場確率0%”の状態ということになる。阪神・矢野燿大監督の責任を問う声が聞こえてくる一方、一部の阪神OBからは「覚悟を決めて戦ってほしい」という叱咤激励の声も──。
今季の阪神の課題は明白だ。ヤクルトとの開幕戦で5回まで8対1とリードしながら、6回、7回、8回と相手に得点を許したうえに、9回に3点を失って8対10と大逆転負けを喫したことが象徴的だが、昨季までの守護神・スアレスの穴が埋められていない。4月5日の初勝利も、先発・西勇輝が9回まで完封し、リリーフ陣の力を必要とすることはなかった。
それだけに、まだまだファンの不安は拭えない状況は続くが、そうしたなかで矢野監督に奮起を促す声がある。1960年代の阪神で捕手として活躍し、大洋、阪神、横浜のコーチを歴任した“ダンプ”こと辻恭彦氏は自身の現役時代を振り返りながら、こう話した。
「ボクも1968年に藤本(定義)監督のもとで開幕5連敗の経験があります。ただ、あの時は村山(実)さん、バッキー、江夏(豊)が先発した試合を含めての5連敗で、そんな深刻にとらえてはいなかった。この投手陣ならいつか勝つだろうという気持ちでいたので、自然とチームは白星を重ねていった。後半は江夏が頑張って、終わってみれば2位でした。
矢野監督もナインを信じていつも通りにやればいいと思いますよ。昔の阪神もよく負けていたが、力がなくて負けるというよりは、ゲームとして負けている感じでした。勝つ時はピッチャーがピシッと抑えて勝っていた。スアレスの穴は大きいが、昨年2位のチームだからね。自信をもってやることじゃないですか」