榊英雄監督(51)に続き、俳優の木下ほうか(58)も複数の女優に性的行為を強要していたとの疑惑が世間を騒がせる中、さらなる大物の名前が挙がった。“鬼才”とも称される、園子温監督(60)だ。
園監督は『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』など、数々の話題作を世に送り出し、カルト的人気をほこる。2012年には第68回ヴェネツィア国際映画祭コンペティションに出品された『ヒミズ』で主演の染谷将太(29)と二階堂ふみ(27)が最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を日本人で初受賞したことでも注目を浴び、ニコラス・ケイジを主演に迎えた2021年公開の『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』でハリウッドデビューも果たしている。
そんな国内外で一定の評価を得る園監督の“性加害”疑惑を『週刊女性』が報じた。「仕事をあげる」との誘い文句で女優を事務所に呼び出して性行為を迫ったとされている。この報道が事実だとすれば、榊監督と共通しているのは、監督という立場を利用していた点だ。
女優にとって「監督の立場」とはどういったものなのか。
「監督は自身の作品のキャスティングに大きな権限を持っています。さすがに主演クラスが “鶴の一声”で決まるケースはなかなかありませんが、脇(役)の方だと、『この人でやりたい』という監督の意向で決まるケースは珍しくありません」
そう話すのは、榊監督の作品に数多く携わってきた映画カメラマンの早坂伸氏。監督が女優との接点を持つ場として、「ワークショップ」が利用されることもあるという。
「著名な映画監督が開くワークショップは、演技や制作現場のことなどを学べるので人気ですが、一方で、監督に名前を覚えてもらえるチャンスの場でもありますので、受講者側から、ある意味、すり寄っていくこともあるわけです。監督側が女優の卵にそういうこと(性的搾取)をやろうと思えばできてしまう環境ではありました」
作品に出演したいという受講者の強い思いを、監督側が利用しているとすれば許しがたい行為だ。しかし一方で、女優側がそうした監督側の要求を受け入れてしまうケースもあり、問題を複雑にしている。