NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』が4月8日、最終回を迎えた。4月7日の放送回では、ついに森山良子演じるアニー・ヒラカワこと安子が、深津絵里演じる娘のるいと涙の再会を果たした。森山と深津の抱擁に、若き日の安子(上白石萌音)と幼少期のるい(古川凛)の抱擁を重ね合わせる演出に、視聴者からは感動の声が相次いだ。
再会のシーンでもう一つ注目を集めたのが、るいの髪型だ。るいは再会の場面で、ベリーショートで額まで丸出しにしており、幼少期についた額の傷跡を隠すことなく見せていた。安子が以前に比べると薄くなった傷跡を確かめようと髪に触れると、るいは優しくその手を握った。額の傷をめぐる2人のトラウマとわだかまりが解消する印象的な場面だった。
SNS上では、〈岡山を出た時から段々髪が短くなったのは、時の流れを表現しているのはそうであろうと思うのだけど、るいの母親に対する気持ちの変化のように感じる〉〈時を経て、恨みやわだかまりが徐々に無くなるように、短くなったるいの髪。 今日はその重みが完全に無くなり、母安子とハグができたのです〉といった考察が行なわれている。
たしかにこの場面にいたるまで、長い年月を経てるいの髪は徐々に短くなっていった。「るい編」に深津絵里が登場した当初は、額の傷を隠すように前髪を下ろしていた。それが、結婚や出産を経て徐々に髪が短くなっていき、最後はベリーショートに。視聴者もその変化には気付いていたはずだが、この場面に繋がる伏線だと予想していた人は少なかったはずだ。
それは深津絵里という特別な女優と考え抜かれた演出がもたらしたものだと、ベテラン芸能ライターは話す。
「深津さんのベリーショートがあまりにも似合いすぎたせいです。深津さんは1999年に放送されたドラマ『彼女たちの時代』(フジテレビ系)に主演した際もベリーショートで、『カムカム』でも1999年設定の時代にベリーショートになったため、ファンの間では『あの頃を意識している』『何も変わっていないのすごい』と大盛り上がりとなりました。
その結果、深津さんの髪型の変化が、るいの心境の変化や劇的な再会場面に繋がる伏線とはなかなか気づきませんでした。深津さんの存在と、彼女をキャスティングしたうえで巧みな演出をラストまで貫いたNHKの力量によるものでしょう」
NHKの演出担当者は、るいの髪型の変化について、メディアの取材にこう答えている。