芸能

ラッシャー板前が語る『旅サラダ』生中継25年の歴史「休んだのは1回」「全国津々浦々への愛」

生放送をこなし続けたラッシャー板前(撮影/小倉雄一郎)

生放送をこなし続けたラッシャー板前(撮影/小倉雄一郎)

 3月26日の放送で土曜朝の旅番組『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日)のレギュラーを卒業したラッシャー板前さん(58)。多くの視聴者から惜しむ声が上がったが、1997年4月から25年間もの長期間、生中継を担当するのは並大抵ではなかっただろう。一息ついた今、どんな思いでいるのか。生放送ならではのハプニングや、ラッシャーさんが食べた“最高においしかったもの”などについてたっぷり聞いた。

 * * *
 最後の放送から1週間。これまで25年間、金曜に中継先に出かけて行って土曜に中継して帰る、というスケジュールだったので、金・土曜に自宅にいる、というのは新鮮ですね。テレビを見ながら「へ~、金・土曜はこんな番組をやっているんだ」と思いましたし、これまでは曜日の感覚を『旅サラダ』中心に掴んでいましたから、これからは「今日は何曜日だっけ」と、わからなくなってしまいそうです(笑い)。

 3月で卒業というのは、公表直前に聞きました。もちろん寂しいですが、日本各地の素晴らしい所へ行かせていただき、地元の方々と触れ合い、おいしいものをたくさんいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。中継が終わったらすぐに東京へ戻っていましたが、金曜はいつも早めに現地入りして、例えば宿の大浴場や近くの共同浴場に入って地元の人と裸の付き合いをするのを楽しみにしていました。町や人の雰囲気を感じたり、名物はどんなものがあるか聞いたりして、中継に生かすようにしていました。

起用のきっかけ

25年間、週末は生放送に出演(撮影/小倉雄一郎)

25年間、週末は生放送に出演(撮影/小倉雄一郎)

 25年前に僕が起用されたのは、たけし軍団の先輩の松尾伴内さんがプッシュしてくれたから、と聞いています。番組は今年30年目。最初の3年は笑福亭純瓶(じゅんぺい)さんが、その後の1年は伴内さんが担当していたんです。でも、伴内さんは年に1~2回、舞台をやっていましたから、生中継をずっとはできない。それで「後任は僕に」と推してくれたそうです。それが25年も続くことになるなんて、伴内さんも驚いているでしょうね。

 最初の中継は京都の杉の名所から。伴内さんは雨男で、中継のときも雨が多かったらしいんです。僕は晴れ男なのでスタッフに「大丈夫、晴れますよ!」と自信たっぷりに言っていたら、当日は土砂降りの雨で(笑い)。いきなり、面目ないことになってしまいました。天気によるハプニングはほかにも結構ありましたね。新潟から中継したときはどんより曇りで、雲が厚過ぎて衛星まで電波が届かないトラブルがありました。

 猛吹雪でも中継はやりましたから、冬に青森県・五所川原へ行ったときは、ホワイトアウトで中継車が立ち往生し、後続車に追突されるんじゃないかとヒヤヒヤ。でも、地元の方はホワイトアウトになったときの運転方法をちゃんと心得ているので、大丈夫なんだそうですね。青森では猛吹雪の中、お餅を用意したらあっという間に雪がお餅に積もって見えなくなったことも。かと思えば、「地吹雪ツアーをやろう」と2回も企画したのに2回ともピーカンだった、なんてこともありました。サウナでお話しした地元の方が「1日の中継で地吹雪を撮ろうなんて。そんなにいつも地吹雪が来るんだったら、オレらは住んでらんねえよ」って笑われてしまいました。

 長野県・駒ヶ根の中央アルプス千畳敷カールに行ったときには、星空の素晴らしさに感動しましたね。カールというのは、約2万年前の氷河期に氷で削り取られたお椀型の地形のことで、僕らは頂上の温泉宿に宿泊。夜になったら周りのお客さんらが外に出かけるので一緒に行ってみると、それは見事な星空で! そのうえ30秒に1回ぐらい流れ星がビュンビュン流れるんですよ。願い事がいくつも言えました(笑い)。この中央アルプス千畳敷カールの良いところは、電車やバス、ロープウェイを乗り継いで頂上まで行けるので、女性はハイヒールでも上まで行けること。本格的な山登りの装備がなくても行けるのは嬉しいですね。

関連記事

トピックス

電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、大学進学で変化する“親子の距離” 秋篠宮ご夫妻は筑波大学入学式を欠席、「9月の成年式を節目に子離れしなくては…」紀子さまは複雑な心境か
女性セブン
ニューヨークのエンパイヤ・ステイトビルの土産店で購入したゴリラのぬいぐるみ「ゴンちゃん」は、公演旅行に必ず連れて行く相棒
【密着インタビュー】仲代達矢・92歳、異色の反戦劇を再々演「これが引退の芝居だと思ってもいないし、思いたくもないんです」 役者一筋73年の思い
週刊ポスト
品川区にある碑文谷一家本部。ドアの側に掲示スペースがある
有名ヤクザ組織が再び“義憤文”「ストーカーを撲滅する覚悟」張り出した理由を直撃すると… 半年前には「闇バイト強盗に断固たる処置」で話題に
NEWSポストセブン
現在は5人がそれぞれの道を歩んでいる(撮影/小澤正朗)
《再集結で再注目》CHA-CHAが男性アイドル史に残した“もうひとつの伝説”「お笑いができるアイドル」の先駆者だった
NEWSポストセブン
『THE SECOND』総合演出の日置祐貴氏(撮影/山口京和)
【漫才賞レースTHE SECOND】第3回大会はフジテレビ問題の逆境で「開催中止の可能性もゼロではないと思っていた」 番組の総合演出が語る苦悩と番組への思い
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン
母の日に家族写真を公開した大谷翔平(写真/共同通信社)
《長女誕生から1か月》大谷翔平夫人・真美子さん、“伝説の家政婦”タサン志麻さんの食事・育児メソッドに傾倒 長女のお披露目は夏のオールスターゲームか 
女性セブン