第94回アカデミー賞国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』。そこで一躍注目を集めているのがヒロイン役を務めた女優・三浦透子(25)だ。同作品で三浦は妻を亡くした喪失感を抱える演出家(西島秀俊・51)の専属ドライバーを演じており、寡黙な役ながら存在感のある演技が絶賛されている。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本を手掛ける三谷幸喜も、彼女の魅力に引き込まれたひとりだ。4月2日、MCに就任した『情報7daysニュースキャスター』でアカデミー賞の話題になると、三浦に言及。
「映画館で見て、『あ、この人いい』って。すぐに『鎌倉殿の13人』にぜひ出てほしいとお願いしました」
この三谷からの熱烈ラブコールにより、三浦は翌3日、菅田将暉演じる源義経の正妻・里役で大河初出演を果たした。
「三浦さんは、初対面の義経とほぼ会話がないまま同衾して朝を迎える衝撃シーンを飄々と演じていました。豪華キャストのなかでも物怖じすることなく、貫禄すら感じました」(NHK関係者)
三浦は5歳の時にデビューしており、すでにキャリアは20年を超える。さまざまな経験が、肝が据わった演技に繋がっていると、映画評論家の秋本鉄次氏は評価する。
「彼女が頭角を現わしたのは2018年の映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』です。さまざまな役に適応できるのは、彼女が子役時代から『女優だけやっていては幅が狭まる』と演技とは関係のない公立高校に進学し、大学でも数学を専攻したという異色の経歴の持ち主であることも影響しているはず。彼女の演技は主張がありながらも周囲に溶け込むことができるところが魅力なので、今後はますますオファーが殺到するのではないでしょうか」
大河のヒロインを射止める日も近いか。
※週刊ポスト2022年4月22日号