佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史が主演を務める伝説的シリーズ『THE3名様』が約12年ぶりに復活。初の劇場版『THE3名様 〜リモートだけじゃ無理じゃね?〜』が4月8日より公開中だ。プロデュース・監督を担当した森谷雄氏に話を聞いた。
『THE3名様』は、石原まこちんによる同名漫画を原作に、2000年代にオリジナルDVDとして展開された。ジャンボ(佐藤隆太)、まっつん(岡田義徳)、ミッキー(塚本高史)の3人組がファミレスでだべる姿を描いた会話劇だ。これといったストーリーはないものの、ゆるいやり取りが人気を集め、累計33万本を売り上げるヒットを記録した。なぜ令和の時代に『THE3名様』が復活するに至ったのか?
12年経っても“3名様”は相変わらず
──『THE3名様』は、2000年代にオリジナルDVDとして展開され、累計33万本を売り上げた大ヒットシリーズです。続編を希望する声はたくさんあったと思いますが、なぜ今のタイミングで実現したのでしょうか?
「復活しないんですか?」という声はたくさん頂いていましたが、単純にみんな忙しくなっちゃったんですよね。タイミングを見計らっているうちに結局12年経ってしまいました。今回もキャスト3人のスケジュール調整が大変で、撮影に入ったのは「続編をやろう」と決まってから結局1年後でした。脚本・監督を担当していた福田雄一さんはどうしてもスケジュールが厳しいということで、これまでプロデューサーの立場だった僕が急きょ監督を務めることになりました。
──どのように「続編をやろう」ということが決まったのでしょうか?
2020年夏に佐藤隆太くんから「復活できないか」と相談を受けました。それで10月27日、塚本くんの誕生日に“作戦会議”を開いたんです。
──作戦会議では、どんなことを話し合ったんですか?
やっぱり12年という歳月を経たわけですからね。復活させるにしてもメンバーは続投するのか、全く新しい演出家を立てるのか……。いろんなことを話し合いました。ニートだったジャンボ、まっつん、ミッキーは12年間で一体どのように変化したのか? 僕はそこが気になったんですが、キャスト3人と原作者の石原まこちん先生に疑問をぶつけてみると、全員が「いや。彼らは変わっていませんよ」と答えました。「変化を描くと、逆におもしろくなくなるんじゃないか」って。だからアラフォーになっても3人は相変わらずです。