「気のせいかも」「ただの風邪」「すぐ治るはず」と見逃しがちなのが「耳鳴り」。川越耳科学クリニック院長で埼玉医科大学客員教授の坂田英明氏によれば、耳鳴り未経験者はこの世にほとんど存在せず、慢性的な耳鳴りは難聴の症状のひとつで、認知症を招く要因にもなるという。予防・改善を目指す運動と、聴神経を高めるエクササイズを紹介しよう。
スクワットとしこ踏みで予防・改善
●NASAスクワット「宇宙飛行士の健康を考えたNASAが推奨する一連動作」
椅子に30分ほど座ったら、1度は立ち上がる。立ち上がったら、トイレに行ったり飲み物をとりに行ったりして体を動かす。
立ち上がるだけで頭が動き、同時に三半規管のなかにある耳石が動いて有毛細胞が活性化。血流悪化の改善にもつながる。
立ち上がったあと、とくに用事がなければ前屈・後屈、腕伸ばしなどを行なうと効果的。
●1分しこ踏み「体を大きく傾かせて内耳を刺激、平衡感覚まで正常化させる」
【1】力士の土俵入りをイメージしつつ、両手は膝にのせて両足を開く。上半身はまっすぐ、腰は低めに下ろし、つま先は外へ向ける。
【2】片足を上げ、重心を移動したまま2秒キープ。ゆっくり【1】へ戻り、次は反対の足を上げて2秒キープ。下半身に溜まりがちな血液やリンパ液を上半身へ戻すことで、耳への血流もスムーズに。【1】~【2】×5回、1日2セット。
●タオル踏み「足底の平衡感覚センサーから脳へ情報を伝えさせる」
【1】タオルの両端それぞれをひと結びする。青竹踏みの代わりに、タオル踏みを。フェイスタオルなどが1本あれば足裏が刺激できる。
【2】タオルの結び目に足をのせて立ち上がり、1分間踏み踏み。バランスをとりながら踏むことで三半規管や耳石に刺激を与える。1回1分、1日2セット。