池袋暴走死傷事故から3年「ふたりに土下座して謝りたい」
水族館で楽しんでいた莉子ちゃん。帰ってからカメを描いた。
事故から3年を前に、家族3人が暮らした自宅で取材を受けてくれた松永拓也さん。
誕生日プレゼントだったおままごとキッチン。「莉子は『やったあ!』って喜んで、もう毎日これで遊んで、おもちゃの料理を僕にも作ってくれました。真菜は料理が上手で、おやつも毎日手作りしていたので、莉子は一緒に手伝ったりしていて興味があったんでしょうね」(松永さん)
事故の8日前に描かれた莉子ちゃんの絵は壁に貼られたままだ。
「H31.4.11(3才3か月)水族館で見たカメ」と書き添えられている。「真菜は毎回、こうやって記録して、『上手上手!』って褒めて貼り出していました。莉子の自己肯定感を高めるとか、そんな教育的な考えがあったんじゃないでしょうか」
「真菜は僕にないところ、いいところを全て持っている。真菜からしたら『いや、私のないところをタクは全部持ってる』と言ってくれていたんですけど。僕は真菜のような愛情深い人間ではなかったし、彼女の生き様、その愛を無駄にしたくないんです」
「莉子は記憶力がめちゃくちゃよくて、ここにある絵本、ほとんど覚えて音読してました。ことわざかるたを買って1週間くらいたった時、僕が仕事から帰ったら真菜が『莉子が全部覚えた!』って興奮してるんです。『そんなわけないじゃん』って信じなかったら『じゃあ試しにやってみて』と言うので『じゃあ莉子ちゃん、ふくろの・・・・・・?』って聞くと、『ねずみ』。『やまいは・・・・・・?』『きから』って。驚きました」
結婚式は真菜さんの地元の沖縄で行った。「これはその時のメインキャンドルですね。結婚式はめちゃくちゃ楽しくて、いつか第2結婚式またやろうね、なんて真菜と話していたんです」
「2016年の結婚記念日、11月4日に、ウェディングアニバーサリーで真菜にプレゼントした手作りの写真集です。当時、まだ若くて金銭的にも厳しかったからできるだけ倹約して。100均で材料揃えて、真菜が寝た後に起き出してプリンター出して印刷して、マスキングテープ貼って・・・・・・・。こんなことやっていたの、ちょっと気恥ずかしいですね」
真菜さん、莉子さんの命を無駄にしない、という強い思いが、松永さんが行動する原動力になっている。