選挙戦を盛り上げる「選挙の華」といえば知名度が高いタレント候補だろう。その1人が自民党から大激戦の東京選挙区に出馬する元「おニャン子クラブ」の生稲晃子氏(53)だ。
「病気と仕事、子育てを両立してきた自分の経験を、政策とか法律、予算というものに反映させていくことができたら世の中のお役に立てるのではないかと思いまして、出馬を決意致しました」
出馬表明会見でそう抱負を語った生稲氏は、結婚、出産を経て2015年にがんを公表。2016年に安倍政権の「働き方改革実現会議」の有識者委員を務めたことが政界進出のきっかけとなる。
「生稲さんは、候補者としてはドラフト1位指名というわけではなかったのですが……」と、自民党東京都連関係者が出馬の舞台裏を明かす。
「世耕弘成・参院幹事長は知名度の高いタレント候補に次々声をかけていったが、ことごとく断わられたそうです。そうして7人目にオファーしたのが生稲さんで、ご快諾いただいて世耕さんもほっとした様子でした」
党が期待しているのは、抜群の人気・知名度を誇る元おニャン子メンバーの応援だという。
「生稲さんは出馬会見で、元おニャン子の立見里歌さんから『とにかく自信を持ってね。大丈夫だから。あっこにはいろんな経験があるから』と長文の激励メールをもらったことを明かしました。もし元おニャン子メンバーたちが応援演説に来てくれたら話題性抜群だと、党は期待しています」(同前)
今回の東京選挙区(定数6)は女の戦い。生稲氏をはじめ、立憲民主の蓮舫氏、公明党の竹谷とし子氏に、都民ファーストの会代表の荒木千陽氏、維新の海老沢由紀氏と女性の有力候補が5人の大激戦が予想される。
自民党選対幹部がこう期待する。
「生稲氏は引退する安倍派ベテラン議員の後継者で最大派閥の全面的バックアップもある。当選は堅いが、できれば蓮舫氏の得票を上回ってほしい」
女の有力候補の戦いに勝ち抜いて期待に応えられるか。
※週刊ポスト2022年4月29日号