今年7月に迫る参院選。自民党からは元「おニャン子クラブ」の生稲晃子氏(58)の出馬が固まっているが、対する野党の注目候補は愛媛選挙区に無所属(立憲民主党推薦)で出馬する高見知佳氏(59)だ。
「くちびるヌード」のヒット曲で知られる80年代アイドルで、多くの映画やドラマ、バラエティにも出演。現在は故郷の愛媛で地元ラジオなどに出演している。
彼女の出馬を口説いたのは、前回参院選で野党統一候補として愛媛から当選した永江孝子氏(無所属)。地元テレビ局のアナウンサー出身だ。高見氏が出馬の経緯を語る。
「永江さんから昨年11月に立候補の話をいただいたんです。その時は『何で私が?』と。もともと政治家を目指していたわけでもないですし、もう芸能界にいないので、タレント候補でもないのになぜ、って。
でも思い起こすと、安倍さんが最初に総理になった頃から、日本はどこに行ってしまうんだろうと思うようになったんです。政治には無関心だった私でも、国民を見てないなあと思い、それに責任も取らず、ごまかしてばかりだと。そういう視点で政治を見るようになりました。
私は素人ですが、芸能界に入り、結婚し、出産し、離婚もし、親の介護もやっています。そうしたこれまでの経験を政治の世界で生かすこともできるのではないかと考え、立候補を決めました」
政治家としての抱負は何か。
「子供のための未来投資です。今、親の収入格差が子供の育ち方にも大きく影響を与えています。親の収入の多寡で子供の将来がある程度決まってしまうようなことは、基本的には良くないことだと思います。だからこそ、安心して子供を産み、育てられる社会をつくっていきたいと考えています」
課題は若い世代の知名度。往年のアイドルとはいえ、今ではネットで「たかみちか」と検索するとアイドルアニメのキャラが上位に来ている。高見氏もこれにはショックだったようだ。
「ああ、それはまずいですね……今は街頭演説を積極的に行なっていますが、SNSの発信の仕方も学んで、広げていきたいと思っています」
※週刊ポスト2022年4月29日号