すべての人が望むであろう「健康長寿」。それを叶える方法として提唱されている方法の1つが食習慣を改めることだ。万病を遠ざけ、細胞レベルで若返る「食べ方革命」を新しく始める場合、どういった方法がいいのか。健康長寿の研究に詳しいイシハラクリニック院長の石原結實さんはいう。
「朝食を抜いて1日2食にするのが最も手軽で効果的です。睡眠時は飲まず食わずのいわば“断食状態”であり、朝起きていきなりその状態から固形物を摂るのは胃腸に負担がかかります。朝は野菜ジュースやしょうが入り紅茶などの液体のみにしてお昼は軽めに、夜は通常通りの内容を腹七分目を意識して食べるのが体のリズムに合っています」(石原さん)
淡海医療センター病院長で長寿遺伝子研究に詳しい古家大祐さんは、その中身として最適なのは「懐石料理」だと話す。
「理想はいろいろな食材を少しずつ使った懐石料理です。たんぱく質や野菜が多く、炭水化物や糖質は少ない。また、まずは前菜として野菜が出てその次に肉や魚などのメイン。最後にご飯、という食事の順序もポイントになる。ただし懐石料理はボリュームがあるため、少なめにするのを忘れずに」(古家さん)
量を減らすほかに見逃してはならない大きなポイントは、糖質を摂りすぎないこと。自身もほぼ毎日、約16時間の“プチ断食”を実践しているという高雄病院理事長の江部康二さんはいう。
「血糖値を乱高下させる糖質はできるだけ控えることを推奨します。糖質を摂りすぎると人間の体はどんどん老化していき、病気のリスクも上がります。ご飯やうどん、パンなどの炭水化物は少なめにしてその分、肉や魚、大豆などの脂質とたんぱく質はしっかり摂りましょう。
お米を豆腐に置き換えるなどするのもいい方法です。最近は回転寿司や牛丼のチェーン店でお米を豆腐やキャベツに置き換えた糖質制限メニューが充実しているため、そうした店を頼るのもおすすめです」(江部さん)