7月に迫る参院選。自民党が「元吉本のものまね芸人」(長野選挙区で出馬する松山三四六氏)なら、野党は「元吉本の伝説のマネージャー」で対抗する。国民民主党から大阪選挙区に出馬する大谷由里子氏(59)だ。
〈京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業株式会社へ入社。故横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井小づえ・みどりなど当時、日の当たらなかった若手タレントを次々に売り出しました〉
本人のホームページでプロフィールがそう紹介されている。
“伝説”ができたのは、横山やすし氏が司会を務めていたクイズ番組に酒に酔った状態で出演した時のこと。当時23歳だった大谷氏は楽屋で横山氏をビンタしたという。
その大谷氏、昨年の総選挙では岐阜2区から出馬、約4万票を得たが、自民党候補にダブルスコア以上の大差で落選した経緯がある。
国民民主党の玉木雄一郎・代表とは、「勉強会で知り合い、そこから細くつながっていた」という大谷氏に話を聞いた。
「私がライブビデオチャットで、コロナ禍で経済的に困っている人への政策に関して、『政治は何もわかってへん』と訴えていたら、玉木さんから『だったら大谷さん出たら?』と言われたんです。
今回は比例で出ようと考えていましたが、大阪府連の矢田わか子・参院議員から『大阪から出て』と言われた。大都市圏である大阪で候補者を出さないわけにはいかないと。それで大阪選挙区で出馬することを決めました」
マネージャーを務めた吉本芸人の応援はあるのだろうか。
「そもそも吉本はタレントを選挙には使いません。西川きよしさん(元参院議員)のケースはありましたが、基本的に選挙とは距離を置いています。今では吉本は政府の仕事をしていて、補助金を貰っている立場ですので、国民民主の候補を所属タレントが応援するのは難しいと思っています。その代わりミナミのホストで支援してくれる人が多いので、そういう方たちに応援してもらいたい」
維新の本拠の大阪で、元吉本の伝説のマネージャーが“新たな伝説”をつくることができるか。
※週刊ポスト2022年4月29日号