4月24日、アンガールズの田中卓志がゴールデン帯で初のMCを務める『呼び出し先生タナカ』(フジテレビ系)がスタートした。初回は3時間スペシャルで、国語、数学、理科、社会、英語の5科目、美術と体育の実技テストをおこない、『ふぉ~ゆ~』の辰巳雄大やトラウデン直美、村重杏奈などの若手から、三田寛子や野々村真というベテランまで、15名が生徒として出演。田中が担任、シソンヌの長谷川忍が副担任としてテストの講評をしていった。古参のテレビ局関係者は「驚きましたね」と語る。
「『めちゃ2イケてるッ!』の期末テストとフォーマットが同じです。これなら、『めちゃイケ』復活スペシャルをしたほうが視聴率は取れたのではないでしょうか」
両番組の酷似性はSNSでも話題になり、放送中に『呼び出し先生タナカ』『めちゃイケ』がツイッターのトレンドワードになった。
「自局の番組を真似しているからセーフとか、番組の総合演出が『めちゃイケ』でディレクターをしていた局員だから構わない、とかの問題ではない。『呼び出し先生タナカ』は4月改編のフジテレビの目玉なわけですよね。その1回目の3時間スペシャルで、視聴者が見た瞬間に別の番組との酷似を想起する内容を放送している。テレビマンとしてのプライドがないのかなと思いました」(同前)
フジテレビは『楽しくなければテレビじゃない』をキャッチフレーズに1982年から1993年まで全日帯、ゴールデン帯、プライム帯の“視聴率三冠王”を獲得。1994年以降は日本テレビにその座を明け渡したが、大学生の『就職したい企業ランキング』で1位になるなどブランドイメージは高いままだった。2004年から2010年まで再び“視聴率三冠王”となった。しかし、翌年から低迷が始まり、現在の状態も全盛期の勢いにはほど遠い。
「今の総合演出やプロデューサーは良い頃のフジテレビに憧れて入社した人たちが大半を占めています。しかし、その“憧れのフジテレビ”を作ったメンバーはもっと泥臭かったし、オリジナリティにこだわった。古き良きフジの代表的な番組である『笑っていいとも!』は当時、昼番組に似つかわしくないと言われたタモリを司会に起用し、レギュラー陣も当初はピンク映画を中心に撮っていた山本晋也監督などサブカル系の文化人も多数いた。いわば、何もないゼロからイチを生み出そうとしていた。ビートたけしや明石家さんまの『オレたちひょうきん族』だって、当時無敵で視聴率30%前後を稼いでいた『8時だョ!全員集合』の裏番組として、ドリフターズとは違う新しい笑いに挑戦していった」(同前)