今から30年近く前の秋篠宮の言葉を、ジャーナリスト・江森敬治氏は最近よく思い出す。「学生時代に結婚相手を見つけないと結婚は難しいですよ」──これは紀子妃との馴れ初めについて語った際の発言だった。長女・眞子さんのケースとは、時代が違う。しかし、皇族の結婚を巡っては、ますますハードルが高くなっている状況があるという。江森氏が長年にわたって聞いてきた、秋篠宮の肉声を紹介する。【全3回の第2回。第1回から読む】
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「外出すれば、皇族の動静は常にマスコミなどから注視されます。どこに行くにも警備担当者が付く。彼らの行動は、一般人と比べ、かなり制約されたものでしょう。普通に恋愛を楽しむことは、なかなか困難です」(江森氏)
江森氏による秋篠宮本人へのインタビュー録『秋篠宮』(5月11日出版予定)でも、長女の結婚問題に紙幅が多く割かれている。だが、それはスキャンダルとは違った切り口である。
〈長女について述べるならどうしても触れておかなければならないことがある。結婚して民間人となった彼女には、離婚しても戻る家はないということだ。
まず秋篠宮を名乗れない。姓はどうするのか。一般国民と同じく、「上手くいかなかったら離婚すればいい」という考えは通用しない。結婚の、いや離婚の「自由」すら彼女にないことを、私たちは一度冷静になって考えなければならない〉
眞子さんが頑なに結婚へと進んでいった背景に、皇族の自由や人権を巡る問題があると、同書は指摘する。
江森氏はあるとき、秋篠宮にこう聞いたという。
──殿下は、パスポートはお持ちでしょうか?
答えは、こうだった。
「外交旅券が、そのつど発行されますね」
それゆえ公的、私的を問わず外国訪問のたびに宮内庁を通じて外務省に申請し、外交旅券を発行してもらわなければいけないという。入国手続きなどがスムーズにいくように、外務省を通じて事前に訪問国に連絡し、調整してもらう必要があるのだ。
もちろん、眞子さんにも結婚前にはパスポートはなかった。小室圭さんは長く米国に留学していた。会いたくてもすぐ米国に行けない。諸手続や経費などの問題に加え、彼女の場合だと、記者発表も考えなくてはいけない。