4月11日にスタートした朝ドラ『ちむどんどん』は、沖縄が舞台の物語。そうなれば、やっぱり三線の音色は欠かせない。同作でも、一家の大黒柱・賢三(大森南朋・50才)の唄三線に合わせて、子供たちが楽しそうに踊るシーンが印象的だ。
「大森さんは、撮影のかなり前からみっちり三線を練習したそうです。俳優業と並行してバンド活動や楽曲制作を行っていて、ギター経験もあるので、かなり自信があったみたいです」(NHK関係者)
練習の成果を見せつけた大森だったが、撮影現場では、そんな大森の笑顔が凍りつく瞬間があったという。きっかけは、4きょうだいの末娘・歌子を演じる上白石萌歌(22才)だった。
「作中で、父親の三線の影響をいちばん受けたのが歌子でした。成長した歌子が三線を弾くシーンがあるのですが、萌歌さんは、大森さん以上の腕前を披露したんです。流れるような演奏と『魅惑の音色』に、大森さんも“うますぎて嫉妬するわ(笑い)”と話していましたよ」(前出・NHK関係者)
萌歌は2011年に『東宝「シンデレラ」オーディション』の最年少グランプリに輝き、芸能界デビュー。演技力は折り紙つきだ。一方、幼少から音楽に親しんできた。
「お母さんがピアノ教室の先生をしており、子供の頃から音楽が身近な存在だったそうです。加えて、ミュージカル教室に通っていたことで、リズム感も鍛えられた。過去に出演した作品でチューバやトランペットに挑戦したときには、普通は音を出すのさえ難しいのに、メキメキと上達したそうです」(芸能関係者)
2017年には、萌歌は歌手として映画『ナラタージュ』の主題歌を担当し、アルバムまでリリース。音楽雑誌や音楽番組でも特集が組まれた。そういった音楽的な素地があった上に、萌歌の“負けず嫌い”が顔を出した。
「実は撮影の半年前から練習を始めて、毎日の練習を日課にするため、わざわざ“三線カレンダー”まで作って猛特訓を積んだそうです」(前出・NHK関係者)
物語の序盤で、賢三はこの世を去る。だが、賢三が遺した三線の音色は、しっかりと受け継がれている。
※女性セブン2022年5月12・19日号