幼い頃に戦中、戦後を過ごした人に、思い起こされる「人生最初のごちそう」。 日本が決して豊かではなかった時代、“最初の晩餐”は何であったのか。当時のエピソードと ともに、思い出の料理を完全再現。“おいしい”の記憶と共によみがえる物語とは──。女優・うつみ宮土理さん(79才)に聞いた。
家族で囲んだ母の味をうつみさんが再現
運動会の日のお弁当は、決まって子供達の大好物の太巻き寿司だった。
「料理店の娘だった母は食材にもこだわり、巻き寿司には上等なのりを使っていました。私も近くの商店街まで、よくおつかいを頼まれたものです」(うつみさん・以下同)
今回はその思い出の味を、自身が再現してくれた。
「朝、台所から包丁の音が聞こえたときのワクワク感といったら! 家族で太巻き寿司を囲んで賑やかに過ごしたお弁当タイムは、本当に楽しかったわ」
玉子焼き、干ししいたけ、干ぴょう、にんじんといった具材から、すべて母親の手作り。玉子焼きは甘めの味付け、きゅうりは太めで食感をいかし、仕上げに金ごまを振る。うつみさんお手製の太巻きを、当時と同様、重箱に詰めてくれた。
【プロフィール】
うつみ宮土理/東京都生まれ。朝日新聞社『ディス・イズ・ジャパン』に勤務後タレントに転身し、子供向け番組『ロンパールーム』(日本テレビ系)でデビュー。1978年に愛川欽也さん(享年80)と結婚。“ケロンパ”の愛称で親しまれ、現在はラジオや舞台でも活躍する。
撮影/市瀬真以
※女性セブン2022年5月12・19日号