国内

生稲晃子さんの「第一声」とともに現代のタレント候補について考えてみた

2020年夏の参院選で自民党の目玉候補として注目される生稲晃子さん(左)。一般的に、タレント候補と呼ばれる人たちは全国比例で出馬するが、生稲さんは東京選挙区から出馬予定(撮影:小川裕夫)

夏の参院選で自民党の目玉候補として注目される生稲晃子さん(左)。一般的に、タレント候補と呼ばれる人たちは全国比例で出馬するが、生稲さんは東京選挙区から出馬予定(撮影:小川裕夫)

 芸能人や作家としての高い知名度を持つ人が議員になるのは、珍しいことではない。1892年の帝国議会第2回総選挙の当時、すでにベストセラー作家が出馬し当選している。今では俗に「タレント議員」と言われ、立候補して選挙の間は「タレント候補」と呼ばれるが、その呼び方には客寄せ(票集め)でしかないという揶揄と、それでも選挙では強いだろうという畏怖の二つの意味がこめられている。しかし、票を投じる有権者もタレント議員候補たちに対して、その二通りだけで見てよいものなのだろうか。ライターの小川裕夫氏が、2022年夏の参議院議員選挙へ向けた動きと、日本におけるタレント候補に求められるものについて考えた。

 * * *
 2020年の初頭から感染が拡大した新型コロナウイルス。いまだ収束したとは言い難いが、今年のゴールデンウィークは行動制限などが課されていないために各地の行楽地は多くの人出が戻ってきている。

 久しぶりの連休を楽しむ人たちが多い中、休みを謳歌できないのが今夏に参議院議員選挙に出馬を考えている立候補予定者たちだ。

 すでに自民党からはタレントの生稲晃子さん、日本維新の会からは歌手の中条きよしさん、無所属での立候補ながら立憲民主党の推薦を受ける女優の高見知佳さんが出馬の意向を示している。

 こうした候補者は、いわゆるタレント候補と呼ばれる。芸能人といえども一人の人間だから立候補の要件を満たしているなら、それにとやかく言うことはしない。芸能人として活躍したことで知名度を得ているから票を入れてもらいやすいというメリットはあるが、そうしたことを言い出すと世襲議員などにも同様のことが言えてしまう。

 政治経験がまったくないタレント候補でも、例えば政治家として活動していくうちに有権者から広く話を聞き、歳月とともに政策立案能力が向上する可能性はある。

 ロシアによる侵攻で注目を集めるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、政治家になる前は俳優として活躍していた。芸能人だから一律に政治家になってはいけないと切り捨てるわけにはいかない。

 とはいえ、選挙に出馬するからには、自身がライフワークとして取り組みたい政策や政治理念などを固めておく必要があるだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン