ライフ

藤井聡太竜王「100万円あったらまたつくる」将棋ソフト開発者も驚く自作PCへの情熱

YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」で自作PCへの意欲を見せた

YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」で自作PCへの意欲を見せた

 5つのタイトルを保持する藤井聡太竜王(19)は、いま最も多忙な棋士。そんな藤井竜王がリラックスした表情で、「100万円あったら、またパソコンをつくるかもしれません」と語ったのは、叡王戦に特別協賛するレオス・キャピタルワークスの藤野英人代表のYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」に登場した際のこと。叡王戦の開幕に合わせて4月28日に公開された動画での一場面だった。

 近年の棋士は研究にAI(人工知能)を活用するのが常識だが、藤井竜王は棋界屈指の“パソコン好き”として知られる。

 2020年には地方紙のインタビューで「自作した最新のものはCPU(中央演算処理装置)にAMDの『ライゼン・スレッドリッパー3990X』を使っています」と語った。AMDは世界的なCPUメーカーで、藤井竜王が名前を挙げたのが約50万円の高額製品だったことが話題を呼んだ。

 多くの棋士が研究に活用する将棋ソフト「水匠」の開発者・杉村達也氏は「藤井さんのライゼンも、そろそろ買い換え時かもしれません」と話す。

「プロ棋士の方とPCの話をしていると、3~5年で換える人が多い。今年の夏か秋には、AMDから新しいCPUが発売されると言われています。新製品が出たら藤井さんも買い換えるのでは。今度はコア数と呼ばれる計算する“頭脳”の数が倍に増えるかもしれない。現在の最新鋭機種は1秒に約8000万手を読みますが、同じ時間で倍の手数が読めることになる」

 トップ棋士の対局ともなれば、AIが数億手、数十億手と読むことで“最善手”に辿り着く。深い研究には膨大な手数を読む必要があり、新しいCPUで研究時間短縮が期待できる。

 ただ、藤井竜王は“効率”だけを求めているわけでもなさそうだ。億超えの年収とされる藤井竜王なら、本来は「100万円」どころかPCにいくらでもお金がかけられる。杉村氏が続ける。

「より高性能の既製品PCを購入したり、大企業のサーバーを時間借りするクラウドへの移行など、選択肢は色々ある。むしろ、自作PCだと組み立てだけで5~6時間はかかるし、パーツ選びも含めると膨大な時間が必要。故障の際も、どのパーツに原因があるのか自分で見つけ出さなくてはいけない。それでもわざわざ組み立てるのは、藤井さんがPCの自作を本当に楽しんでいるのでしょう」

 新たな自作PCが多忙な生活の癒やしとなり、さらに強さを見せるのか。

※週刊ポスト2022年5月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト