芸能

「朝ドラ女優」たちの涙ぐましい努力 壮絶なオーディションの舞台裏

実は「てびち」(豚足の煮付け)が苦手な黒島結菜

『ちむどんどん』ヒロインの黒島結菜

 世間から注目される朝ドラに出演することは、女優にとってステータス。キラキラと輝く「朝ドラ女優」たちについて、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが分析します。

 * * *
 黒島結菜サン(25才)がヒロインを務める2022年度前期のNHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『ちむどんどん』は、沖縄の本土復帰50年を記念し、本島北部のやんばる地域を舞台にした「家族」の物語です。

 ファーストシーンは、ヒロインの子供時代の稲垣来泉チャン(11才)がシークワーサーの木の枝に何度も飛びつき、それがいつの間にか、黒島結菜サンに変わり、果実をもぎとり、かぶりつくという、彼女の清々しいルックスにふさわしいものでした。

 10代の頃、「あの子は誰?」と世間をおおいに賑わせたNTTドコモのCM「想いをつなぐネットワーク」篇以来、黒島サンの出演作を追いかけていた私は、ついにこの日が来たか……と感動で震えてしまいました。

 実は黒島サンは2014年の『孫のナマエ〜鴎外パッパの命名騒動7日間〜』(NHK BSプレミアム)に出演してから、地方局やスペシャル、続編などを含めるとNHK作品に20本以上も出演。「NHKに育てられた」と言っても過言ではないのです。

 思えば、昭和の朝ドラヒロインの多くはほぼ新人で、色がついていない明るく元気なタイプばかりでした。CM出演もNGで、色がついていない優等生の“NHK出身”“朝ドラ女優”なる肩書は、その後のキャリアの邪魔になることも。明るく元気なまま、イメチェンできずに“おばさん”になっていくため、母親役や老け役に移行することがなかなかできなかったというワケです。

『おひさま』の井上真央

『おひさま』の井上真央

 でも、開始時間が15分繰り上がり、8時ジャストに変更された2010年度前期の『ゲゲゲの女房』からは、作品にハマれば新人でなくてもヒロインに選ばれるように。『おひさま』の井上真央サン(35才)、『梅ちゃん先生』の堀北真希サン(33才)、『スカーレット』の戸田恵梨香サン(33才)、『なつぞら』の広瀬すずサン(23才)、『カムカムエヴリバディ』の深津絵里サン(49才)や上白石萌音サン(24才)らは、朝ドラのヒロインに選ばれる前から皆、主演女優さんでしたからね。

 そして、“朝ドラ”の視聴者層を劇的に変えた立役者ともいうべき『ゲゲゲ〜』の松下奈緒サン(37才)は、夫役・向井理サン(40才)のブレーク前夜とも重なって、NHKの朝の大改編を成功させました。8時15分過ぎ、『あさイチ』の有働由美子アナウンサー(53才)や井ノ原快彦サン(45才)が“朝ドラ”の感想を言い合ったり、時に有働サンが涙ぐんだりするのが「お約束」になったのも『ゲゲゲ〜』から。松下サンは同年の『NHK紅白歌合戦』の紅組司会にも抜擢されました。

 忘れもしません。その際、ドSな向井サンがNHKホールを訪れ、開口一番、松下サンに「緊張してんじゃない?」と言い、鼻で笑ったことを(苦笑)。劇中のツーショットがあまりにもお似合いだったため、一部で交際のウワサが流れていたお二人でしたが、あぁ違うんだ……と向井サンの熱烈なファンだった私は安心したことを覚えています。

関連記事

トピックス

アメリカの実業家主催のパーティーに参加された三笠宮瑶子さま。写っている写真が物議を醸している(時事通信フォト)
【米実業家が「インスタ投稿」を削除】三笠宮瑶子さまに海外メーカーのサングラス“アンバサダー就任”騒動 宮内庁は「御就任されているとは承知していない」
NEWSポストセブン
11月に不倫が報じられ、役職停止となった国民民主党の玉木雄一郎代表、相手のタレントは小泉みゆき(左・時事通信フォト、右・ブログより)
《国民・玉木代表が役職停止処分》お相手の元グラドル・小泉みゆき「連絡は取れているんですが…」観光大使つとめる高松市が答えた“意外な現状”
NEWSポストセブン
10月末に行なわれたデモ。参加者は新撰組の衣装に扮し、横断幕を掲げた。巨大なデコトラックも動員
《男性向けサービスの特殊浴場店が暴力団にNO!》「無法地帯」茨城の歓楽街で「新撰組コスプレ暴排デモ」が行なわれた真相
NEWSポストセブン
秋田県ではクマの出没について注意喚起している(同県HPより)
「クマにお歌を教えてあげたよ」秋田県で人身被害が拡大…背景にあった獣と共存してきた山間集落の消滅
NEWSポストセブン
姜卓君被告(本人SNSより)。右は現在の靖国神社
《靖国神社にトイレの落書き》日本在住の中国人被告(29)は「処理水放出が許せなかった」と動機語るも…共犯者と「海鮮居酒屋で前夜祭」の“矛盾”
NEWSポストセブン
公選法違反で逮捕された田淵容疑者(左)。右は女性スタッフ
「猫耳のカチューシャはマストで」「ガンガンバズらせようよ」選挙法違反で逮捕の医師らが女性スタッフの前でノリノリで行なっていた“奇行”の数々 「クリニックの前に警察がいる」と慌てふためいて…【半ケツビラ配り】
NEWSポストセブン
「ホワイトハウス表敬訪問」問題で悩まされる大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平を悩ます、優勝チームの「ホワイトハウス表敬訪問」問題 トランプ氏と対面となれば辞退する同僚が続出か 外交問題に発展する最悪シナリオも
女性セブン
2025年にはデビュー40周年を控える磯野貴理子
《1円玉の小銭持ち歩く磯野貴理子》24歳年下元夫と暮らした「愛の巣」に今もこだわる理由、還暦直前に超高級マンションのローンを完済「いまは仕事もマイペースで幸せです」
NEWSポストセブン
医療機関から出てくるNumber_iの平野紫耀と神宮寺勇太
《走り続けた再デビューの1年》Number_i、仕事の間隙を縫って3人揃って医療機関へメンテナンス 徹底した体調管理のもと大忙しの年末へ
女性セブン
白鵬(右)の引退試合にも登場した甥のムンフイデレ(時事通信フォト)
元横綱・白鵬の宮城野親方 弟子のいじめ問題での部屋閉鎖が長引き“期待の甥っ子”ら新弟子候補たちは入門できず宙ぶらりん状態
週刊ポスト
大谷(時事通信フォト)のシーズンを支え続けた真美子夫人(AFLO)
《真美子さんのサポートも》大谷翔平の新通訳候補に急浮上した“新たな日本人女性”の存在「子育て経験」「犬」「バスケ」の共通点
NEWSポストセブン
自身のInstagramで離婚を発表した菊川怜
《離婚で好感度ダウンは過去のこと》資産400億円実業家と離婚の菊川怜もバラエティーで脚光浴びるのは確実か ママタレが離婚後も活躍する条件は「経済力と学歴」 
NEWSポストセブン