国内

コスパ的には結婚したほうが“お得” 家族が増えるほど1人あたりの生活費減少

給与、年金ともに高齢女性は男性より水準が低い(写真/PIXTA)

給与、年金ともに高齢女性は男性より水準が低い(写真/PIXTA)

 日本の“おひとりさま化”が急激に進んでいる。国勢調査によれば、女性の生涯未婚率は1985年から2020年で4.3%から14.9%にアップしている。ひとりで暮らす女性が増加する中、懸念されるのが貧困の問題だ。単身世帯では勤労世代(20〜64才)の女性の約4分の1、65才以上の女性の約半数が相対的貧困といわれる。

 経営コンサルタントの坂口孝則さんは、コストパフォーマンスを考えると結婚した方が“お得”だと話す。

「日本ではよく『結婚すると独身時代よりお金がかかる』といわれますが、実態は逆です。『生活コスト逓減の法則』といわれるものがあり、家族が多くなるほど1人当たりの生活費がぐんと下がります。つまり、結婚はコスパのいいものであり、アメリカでは、生活コストを下げるために結婚を選ぶケースがあるほどです」

 家計調査(2021年)等によると、ひとり暮らしにおける1か月間の平均生活費は約11万5000円。対して2人世帯は約19万2000円、5人世帯は約23万3000円で、家族が増えるごとに1人当たりの生活費は減少する。やはり結婚はコスパがいいのだ。さらに結婚は、将来起こり得るリスクを分散することにもつながる。

「結婚していれば、夫婦のどちらかが病気になったり職を失ったりしても、もう片方がフォローできます。2人同時にダメになる確率は低く、独身より生活上のリスクを分散できます」(坂口さん)

 近年は熟年離婚がブームとなったが、離婚後にバラ色の独身生活が待っているとは限らない。むしろ厳しくなることが多いと指摘するのは、離婚カウンセラーの岡野あつこさんだ。

「若い人ならまだしも、熟年離婚の場合はなかなか厳しい。想定よりも財産分与が少なくて生活に困ったり、世間や友人関係の白い目に晒されてストレスが増すケースもあります。『子供たちに面倒をみてもらえばいい』と軽く考えていたけれど、実際に離婚してみたら子供も自分の生活に手いっぱいで母親のフォローができないこともある。

 また女性は男性と暮らしていると経済面だけでなく、防犯面でも安全性が増して孤独感も軽減されます。離婚して結婚のメリットが見えるようになったという女性は多いのです」(岡野さん)

 コロナ禍などで社会が不安定化するなか、単身者のリスクはますます増すという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン