ライフ

旧作映画デジタル・リマスター 「どう見せたいか」に合わせたリマスターを

デジタル・リマスターはどう行われるのか

デジタル・リマスターはどう行われるのか

 高画質にデジタル・リマスターされた旧作映画を観る際、記憶にある映像と異なって感じることがある。ただ、その感じ方は一通りではない。「前に観た時はもっと暗くて深みがあった気がするけど、なんだか明るくなっているな」となる時もあれば、「前は劣化・退色していたのが、見事に復元されているぞ」となる時もある。その違いは何なのか。映画史・時代劇研究家の春日太一氏が、東映ラボ・テックの根岸誠氏に話を聞く。

 * * *
根岸:デジタル・リマスターの考え方は根本的には二通りあります。

 一つは、つくった当時の色合いを可能な限り再現するという考え方。もう一つは、当時つくったものを現在の視聴者に気持ちよく見てもらうという考え方。このどちらを選択するかは、供給する側が考えるわけです。

――DVDメーカーや映画会社の方針次第で決まるわけですね。

根岸:それは私どもの立場では決められることではないので、「どちらが希望ですか」と尋ねるところからスタートすることになります。

――もともと暗い映像の作品だったのが、リマスター版を見たら、別物かと思うくらい明るくなっていることがあるのですが、それは現代の視聴者に見やすくするためというのもある、と。

根岸:たとえば製作当時は、画面を暗くすることが確かに目的ではあったと思うんです。だから、当初は撮影当時に狙った通りに上映しているので暗いんですよ。

 でも、DVDを出す頃には暗い部分を明るく見せる技術ができました。ですから、明るく見せようと供給側が希望をすれば可能になったということです。メーカーだけでなく実際に撮った監督さんやスタッフさんにご意見をうかがい、見せ方を調整することもあります。

――東映の旧作をリマスターする基本方針はどちらですか?

根岸:そのへんは私どもの技術者の立場から言うと、正直よくわかりません。作品ごとに「この作品って、どんな感じでいきますか?」と聞いていますね。

関連記事

トピックス

第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
第一子誕生の大谷翔平、広告出演オファー殺到でスポンサー収入200億円突破も ベビー関連・ファミリー関連企業から熱視線、争奪戦早くも開始か 
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
金メダル級の演技(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝ドラ『あんぱん』で“韋駄天おのぶ”を演じる今田美桜の俊足秘話 「元陸上部で中学校の運動会ではリレーの選手に」、ヒロイン選考オーディションでは「走りのテスト」も
週刊ポスト
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
(撮影/田中麻以)
【高市早苗氏独占インタビュー】今だから明かせる自民党総裁選挙の裏側「ある派閥では決選投票で『男に入れろ』という指令が出ていたと聞いた」
週刊ポスト
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン