昨今の日本のドラマ界では“バディもの”が定番となっている。2022年春ドラマでも、も多くの新・バディが生まれている。
刑事と「インビジブル」と呼ばれる犯罪コーディネーターが異色のタッグを組む『インビジブル』(TBS系)。高橋一生(41才)が刑事を演じ、柴咲コウ(40才)が犯罪コーディネーター役を務める。豪華共演に期待されたが、ドラマウオッチャーの評価はいまひとつ。コラムニストの今井舞さんの意見はこの通り。
「アメリカの人気ドラマ『ブラックリスト』を意識しているのは明らかですが、描かれる犯罪があまりにもショボい。逮捕された柴咲さんが取り調べ中、差し入れにカツ丼を頼んだら、そこにインカムが仕込まれていて簡単に外部と連絡できるなど、ツッコむ気力も失せるイージーなエピソードの連続。高橋さんと柴咲さんの“ムダ遣い”です」
ビッグネームのタッグなら綾瀬はるか(37才)と大泉洋(49才)の月9『元彼の遺言状』も負けていない。平均個人視聴率(4月18~24日、関東地区、ビデオリサーチ調べ)では5.9%で、TBS系『マイファミリー』の7.1%、テレビ朝日系『特捜9』の6.1%につづいて第3位だ。しかし、評価は分かれる結果に。
「原作は2021年の『このミステリーがすごい!』大賞作で、クールな銭ゲバ弁護士を綾瀬さんが、その事務所の“雑用係”に大泉さんというキャスティング。大泉さんが驚くほどの豪華セットを用意してのクランクインと前評判は上々でした」(芸能関係者)
しかし、期待が大きかった分、失望も大きかった。漫画家でテレビウォッチャーのカトリーヌあやこさんは、かなり辛辣な意見だ。
「綾瀬さんと大泉さんの共演などお金をかけているのに、“こんなにおもしろくないことってある!?”と驚きました。ミステリーなのに事件の解決というクライマックスが、ほとんど口頭での説明なんです。このままだと、1時間大泉さんがフリートークをした方がおもしろく、視聴率も取れるのではないでしょうか」
ドラマ評論家の吉田潮さんも、こう話す。
「前回の月9『ミステリと言う勿れ』がミステリー系のなかで群を抜いていた。それだけに月9ミステリーへの期待値が上がってしまい、綾瀬&大泉のツートップを持ってきても、中身が追い付かないからもったいない」
手厳しい意見も少なくないが、まだ多くのドラマが序盤戦。これからの盛り上がりに期待して、最後まで観続けるドラマを決めてほしい。
※女性セブン2022年5月26日号