1月にスタートした小栗旬主演のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、序盤の和やかなホームドラマから一転、物語は身内で謀略が行き交う緊張の中盤にさしかかる。史実では今後、「梶原景時の変」や「実朝暗殺」など、主要キャストにさらなる重大事件が待ち受ける。激動の歴史を脚本の三谷幸喜氏はどう描くのか。
景時の失脚と襲撃
源頼朝(大泉洋)が死去し頼朝と政子(小池栄子)の嫡男・源頼家(金子大地)が家督を継ぐと、「13人」の有力御家人による政治体制が発足する。だが、それは新たな権力闘争の始まりでもあった。その皮切りが「梶原景時の変」だ。
頼朝の厚い信頼を受け、頼家の後ろ楯ともなっていた梶原景時(中村獅童)だが、幕府内の権力闘争で御家人たちの怒りを買ってしまう。歴史研究家の河合敦氏が語る。
「失脚した景時は京都に向かう途中で武士団に襲撃されます。ドラマのキーマンだけに、上総広常(佐藤浩市)の死を超えるような衝撃的なシーンが予想される」
その3年後には、将軍頼家の外戚として権力を握っていた比企能員(佐藤二朗)が一族もろとも滅ぼされる「比企能員の変」が起きる。
「比企能員は時政に呼び出されて、疑いもせずにのんびり時政の屋敷に向かったところを、大勢に囲まれて殺されたとされています」(同前)
劇中の広常は、頼朝への反乱を収め楽しそうに双六に興じる最中、景時に討ち取られた。その壮絶な最期は話題を呼んだが、三谷氏は中村獅童や佐藤二朗にどんな死にざまを準備しているのか。