史上最年少の完全試合を4月10日に達成した佐々木朗希(20)は、海の向こうのアメリカでも「投手としての実力はオオタニ以上」と評される。佐々木の投球は何が優れているのか。160キロ超えを連発する“パーフェクト・フォーム”について、東京ヤクルト時代の2004年に当時の日本タイ記録となる158キロを投げた豪腕で、日米で活躍を続けた五十嵐亮太氏が分析する。
現役の晩年になって、五十嵐氏はあることに気がついたという。
「一流と呼ばれる投手のフォームには共通点がある。それが股関節の内旋でした。右投げの投手が左足を踏み込んでいく時、左膝が内を向き、足底の内側部分から地面に着いていく。現役では(ソフトバンク時代の同僚である)千賀滉大や(東京ヤクルトの)石川雅規、(オリックスの)山本由伸らがそうです」
佐々木朗希。彼もまた投球時、見事に左脚が「L字」になる。
五十嵐氏は元巨人の槙原寛己氏とゴルフを共にした際に、この股関節の使い方を訊ねたところ、槙原氏も「意識していた」と打ち明けたという。前・完全試合男(1994年に達成)にも共通する投げ方なのだ。
「左足を外から大きく回すような投げ方をしてしまうと、上半身が我慢できず開いてしまい、投げる方の腕も外回りしてしまう。それでは軸も保てず、力のあるボールが投げられないし、故障のリスクもある。当然、股関節が柔らかくなくてはできない動きです。
彼らに話を聞くと、子どもの頃の食卓はテーブルではなく、ローテーブルだった。つまり椅子ではなく床に座って食事していた。だから彼らはみんな“女の子座り”(膝から下を左右に広げて、お尻を着いた状態の座り方)ができるんです」