2024年放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』の主人公・紫式部役に起用されたのは、女優・吉高由里子(33才)だ。過去、多くの大物女優が努めてきた紫式部という役。女優たちはどんな紫式部を演じてきたのか。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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2024年度の大河ドラマで吉高由里子が紫式部を演じるということで話題になっている。
これまでの大河ドラマの中では二番目に古い時代が舞台で、生没年もはっきりしていない人物が主人公など、かなり斬新な内容になることは間違いない。
実はこれまでにも紫式部は、しばしば映像作品に登場している。そこに共通するのは、どの作品でも大物女優が演じているということ。生田斗真が光源氏を演じて注目された2011年の映画『源氏物語 千年の謎』は衝撃的だった。なにしろ、始まりがいきなり紫式部(中谷美紀)のラブシーン! その相手が名乗った名前が、物語のカギになるのである。
やがて宮中に召し出された紫式部は、今を時めく権力者・藤原道長(東山紀之)から、「帝のお心をとらえるのだ。そなたの筆で」と命じられる。紫式部の眉毛はくっきりと吊り上がり、覚悟と決意が現れている。だが、その強さ秘められたものにあの陰陽師・安倍晴明(窪塚洋介)も戦くのである。
また、天海祐希がモテモテ光源氏を演じた2001年の映画『千年の恋 ひかる源氏物語』では、日本を代表する映画女優・吉永小百合が紫式部役。牛車に乗り、御簾から都の様子を眺めつつ、「この世のことはかりそめぞ」とつぶやく紫式部は、「わしは満月じゃ」と栄華を誇る道長(渡辺謙)に従い、物語を綴る。
ここで忘れられないのは、国民的女優・森光子が清少納言役で登場したことだった。「春は…あけぼの」とぽつりとつぶやくだけで、かなりの迫力。紫式部は『紫式部日記』に「清少納言こそしたり顔…」などと、書いている。しかも清少納言も、道長を「いい男」と思っていた!? こりゃ、大変だとドキドキする。