元テレビ東京の大橋未歩アナウンサー(43)の夫で同局の敏腕プロデューサーである上出遼平氏(33)が、6月10日付で退社することがわかった。ふたりは2015年に結婚した(大橋にとっては再婚)。近年、キー局では実績があるテレビマンが続々と局を離れる決断をしている。背景には、既存のテレビ局では自由な表現がしにくくなっているという事情があるようだ。
上出氏といえば、2017年に深夜の単発番組としてスタートし、人気番組へと成長した『ハイパーハードボイルドグルメリポート』を手がけるテレビプロデューサーとして有名だ。同番組は、世界各地の危険地帯や危険な仕事をして生きる人々のもとを訪れ、そこで人々がどんな食事をしているか取材するドキュメンタリー。人食い少年兵、マフィア、カルト教団の信者といった相手に溶け込むため、海外ロケといえど大勢のスタッフを引き連れるようなことはなく、上出氏はシリーズの企画、演出、撮影、編集まで番組制作の全工程を担当していた。
各テレビ局では近年、実力のあるディレクターやプロデューサーの退職・転職が相次いでいる。
「上出氏の先輩にあたり、『ゴッドタン』などで知られる佐久間宣行プロデューサーは、昨年3月にテレビ東京を退社しました。また、TBS局員だった佐藤亜裕美プロデューサーがカンテレに移籍して『大豆田とわ子と三人の元夫』を作ったことも業界では話題になりました。フジテレビでは、ドラマ『コード・ブルー』の増本淳プロデューサーが43歳で退職。『恋仲』の藤野良太プロデューサーが入社14年目で退職し、藤野氏と一緒にディレクターとして仕事をしていた金井紘氏も退職しています」(テレビ局関係者)
キー局のプロデューサーともなると、マスコミでも花形中の花形だ。それでも各局で「敏腕」とされる面々の退社が続く背景には、前述のように、コンプライアンス対策や製作費削減などでがんじがらめにされ、思うような表現ができにくくなっているといった状況があると言える。
上出氏が局に黙って『群像』(2021年4月)に寄稿した文章は、テレビ東京や業界全体を痛烈に批判するものだった。