一昨年から山口百恵の名曲がサブスクリプションサービスにより聴き放題となったのも、過去のライブ映像をテレビで見られるのも、すべては百恵さんの育ての親である彼の尽力があってこそだった。引退後も百恵さんが信頼し続けた恩師の急逝に彼女は──。
ダイナミックで美しいハワイの自然、パリのおしゃれなカフェ、海沿いでの優雅なバカンス、古代エジプトの壁画──一歩会場に足を踏み入れると、そこには世界中のさまざまな美景を表現した作品があふれていた。
5月11日から24日まで静岡駅からほど近い会場で開催されている「静岡キルトフェスティバル」。「旅と休日」をテーマに、日本のトップキルト作家の秀逸な作品を集めた本展で、会場の中でも、大きな人だかりができ、ひときわ注目を集めている作品があった。「ようこそ!」というタイトルがつけられたそのキルトの作者は、三浦百恵さん(63才)だ。
このキルトフェスでは、百恵さんのキルトの師である鷲沢玲子さんの教室の特別展示が行われており、百恵さんも数多くの弟子のなかから選ばれて作品を出展していたのだ。イベントを主催している「テレビ静岡」のホームページには、作品とともに百恵さんの近影も掲載されている。
「今回出展された百恵さんの作品は、2019年に制作されたもの。新作ではないのですが、フランス出身の画家・モネの家をモチーフにした作品のため、旅のテーマに合っているということで選んだそうです。ピンクを基調にした花々のリースの周りを蝶が舞っている華やかなキルトです。モネの終の棲家となったフランス・ジヴェルニーの庭の散歩道で、モネが訪れた人を笑顔で迎えるようなイメージからこのタイトルがつけられたのだとか」(キルト専門誌編集者)
現在はキルト作家として活躍する百恵さんだが、このキルトフェスが始まる少し前、「歌手・山口百恵」をともに作り上げた人生の師を失っていた。
4月30日、前ホリプロ会長の小田信吾さんが急性心不全のため83才で亡くなった。小田さんは、1968年に大手芸能事務所のホリプロダクション(現・ホリプロ)に入社。和田アキ子(72才)や百恵さんのマネジャーを務め、同社の成長に大きく貢献し、マネジャーから社長、会長を歴任した。芸能界の重鎮といわれる人物だったが、葬儀は親族のみの密葬という形でひっそり執り行われたという。
「故人の希望とご家族の意向だったそうです。混乱を避けるため、小田さんの死はしばらく伏せられており、発表されたのは葬儀が終わった後でした」(芸能関係者)