芸能

劇団四季ミュージカル『バケモノの子』 原作ファンもうならせる圧巻の舞台

バケモノの子

細田守監督のアニメーション映画『バケモノの子』を劇団四季がミュージカル化

 4月30日、東京・JR東日本四季劇場[秋]にて、劇団四季の最新オリジナルミュージカル『バケモノの子』が開幕した。原作は2015年7月に公開された細田守監督によるアニメーション映画。異世界に迷い込んだ孤独な少年・蓮(九太)と、バケモノの熊徹の奇妙な共同生活と成長、心の絆を描いた原作映画は、第39回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した。国内外を問わずその名を知らない人はいない、大ヒット長編アニメーションだ。

 細田監督作品のミュージカル化は今回が初の試み。同時に、劇団四季での国内長編アニメーション作品のオリジナルミュージカル化も初めてのこと。細田監督の描いたものを舞台上にリアルに立ち上げるために、さまざまな試行錯誤が重ねられたという。

映画の世界観そのまま、驚愕の演出の連続

 9才で母を失い、父とも離ればなれになってしまった少年・蓮は、東京・渋谷センター街の裏路地から、バケモノたちが暮らす異世界「渋天街」に迷い込む。剣の達人だが粗野で横暴な熊徹に「九太」と名づけられ、彼の弟子として、渋天街で暮らすことを決める。

 渋谷と渋天街。2つの世界を表現するのは、「二重盆」と呼ばれる同心円状にある2つの回転舞台と、「ルントスクリーン」という、盆に沿ってカーブした透過型スクリーンだ。盆上のセットが床面ごと回転するのに合わせてスクリーンに映像が映し出され、シーンに臨場感をもたらしている。

 そのほか、映画の印象的なシーンの数々は、どうやって表現されているのか。戦う熊徹と猪王山の体はやっぱり大きくなるのだろうか? 宙を舞う太刀はどうなってる? 胸に渦巻く心の闇や、あの巨大生物はどう表現する?──そんな疑問に胸を膨らませつつ観劇するのも、本作の面白さ。しかも原作の世界観はそのままに、想像を超える表現方法で観客を魅きつける。

「こんなことまで、できちゃうの!?」と驚かされる映像技術を用いた演出も、2つの世界をそれぞれに彩り分ける。このほか、特殊メイクやパペット、殺陣、マジックなど、劇団四季がこれまで多くの作品で培った技術が、適材適所で見事に活用されている。

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン