ライフ

ダニ対策の鉄則は「増えない環境」を作ること 服の襟、頭皮など意外な場所も注意

(写真/photo library)

ダニ、カビはほこりに潜む(写真/photo library)

 じめじめとしたこの季節、気をつけたいのがダニとカビだ。知らず知らずのうちに、増殖させないために、正しい知識を知っておきたい。ダニやカビに詳しい、農学博士・川上裕司さん、医学博士・高岡正敏さん、医療環境管理士・松本忠男さんが、日々の暮らしに役立つ豆知識を教えてくれた。

家にいるダニはほとんど刺さない!

「家の中にいるダニの70%以上は、チリダニ科のコナヒョウヒダニで、人を刺しません。ただし、吸い込むとアレルギーの原因になります。人を刺すのはツメダニやミナミツメダニ。主に畳に生息し、ほかのダニをエサにしています」(川上さん)

 ツメダニに刺されると、皮膚に赤い発疹ができ、かゆみが1週間ほど続く。チリダニが増えるとツメダニも増えるので要注意。

ダニ対策の鉄則は「殺す」より「増やさない」

 アレルギー対策としては、ダニを殺すだけでは意味がないという。

「ダニを殺しても、アレルゲンであるダニの死骸やフンは残ります。ダニを殺した後に、死骸やフンなどを掃除機できれいに吸い取れば、アレルギーの発症を抑えられるはず。ダニの繁殖力は驚異的なので、殺すよりもダニが増えない環境をつくることの方が抜本的な解決策となります」(高岡さん)

アレルギーを発症した家にはハウスダスト1gに2608匹!

「WHO(世界保健機関)はハウスダスト中のダニの数が1g中100匹以上になるとアレルギーが起きると発表しています。しかし、これは欧米も含めた平均値。日本で実際に私が調査したところ、小児ぜんそくの子供がいる家では、ハウスダスト1g中にダニが2608匹いました。一方、アレルギーがない子供がいる家では、1g中36匹しかいませんでした」(高岡さん)

高気密・高断熱の最新の家ほどダニが多い

「日本の住宅は、通気性のいい木造住宅にかわり、高気密・高断熱のコンクリート製住宅が主流になってきています。これにより、チリダニが増えたというデータがあります。冬でも暖かい分、室内の通気性が悪くなり、ダニにとって住みやすい環境になったからです。昔は冬になると寒さで死んでいたダニが越冬できるようになり、年中繁殖が可能になったのです」(高岡さん)

チリダニは3か月後に100万匹に増える!

「チリダニのメスは、温度20〜35℃、湿度60〜85%で、エサが豊富な状態になると産卵を始め、1日に4〜7個の卵を毎日産み続けます。そして、生涯で100個ほどの卵を産んで死にます。1匹のメスが1日5個の卵を20日間で計100個産んだとし、オス・メスの割合が半々と仮定すると、約3か月後には100万匹に」(高岡さん)

 ダニの繁殖力は高い。毎日の掃除は必須だ。

服の襟、頭皮……意外な場所にもダニが!

「ブルゾンの襟にいるダニの量を1平方メートルあたりに換算すると6028匹いたことがあります。これは、ダニのエサになる皮脂が付着しているため。また、人の頭にもエサとなるフケが多いため、頭髪にも繁殖します」(高岡さん)

ピンク色の酵母菌はクロカビのエサ

 ピンク色の“カビ”は、カビではなく酵母菌の一種で、クロカビのエサ。放置しておくとクロカビが増殖する。

「洗剤で落とした後に水気を拭き取り、濃度50%以上のアルコールを吹きかければ防げます」(松本さん)

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
シンガポールの元人気俳優が性被害を与えたとして逮捕された(Instagram/画像はイメージです)
避妊具拒否、ビール持参で、体調不良の15歳少女を襲った…シンガポール元トップ俳優(35)に実刑判決、母親は「初めての相手は、本当に彼女を愛してくれる人であるべきだった」
NEWSポストセブン
「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ犯から殺人犯に》「生きてたら、こっちの主張もせんと」八田與一容疑者の祖父が明かしていた”事件当日の様子”「コロナ後遺症でうまく動けず…」
NEWSポストセブン
「グラディアトル法律事務所」の代表弁護士・若林翔氏
【改正風営法、施行へ】ホストクラブ、キャバクラなどナイトビジネス経営者に衝撃 新宿に拠点を持つ「歌舞伎町弁護士」が「風俗営業」のポイントを解説
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「本人にとって大事な時期だから…」中居正広氏の実兄が明かした“愛する弟との現在のやりとり”《フジテレビ問題で反撃》
NEWSポストセブン
長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督からのメッセージ(時事通信フォト)
《長嶋茂雄さんが89歳で逝去》20年に及んだ壮絶リハビリ生活、亡き妻との出会いの場で聖火ランナーを務め「最高の人生」に
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「兄として、あれが本当にあったことだとは思えない」中居正広氏の“捨て身の反撃”に実兄が抱く「想い」と、“雲隠れ状態”の中居氏を繋ぐ「家族の絆」
NEWSポストセブン
今年3月、日本支社を設立していたカニエ・ウェスト(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストが日本支社を設立していた》妻の“ほぼ丸出し”スペイン観光に地元住人が恐怖…来日時に“ギリギリ”を攻める可能性
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《子どもの性別は明かさず》小室眞子さんの第一子出産に宮内庁は“類例を見ない発表”、守谷絢子さんとの差は 辛酸なめ子氏「合意を得るためのやり取りに時間がかかったのでは」
NEWSポストセブン
現在、闘病中の西川史子(写真は2009年)
《「ありがとう」を最後に途絶えたLINE》脳出血でリハビリ中の西川史子、クリニックの同僚が明かした当時の様子「以前のような感じでは…」前を向く静かな暮らし
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン