スポーツ

投手は休養十分?“投高打低”の2022年プロ野球、コロナ禍ならではの事情も

「投高打低」の理由は?(写真/共同通信社)

佐々木朗希は間隔を大きく開けながら登板している(写真/共同通信社)

 2022年のプロ野球はようやく3分の1ほどを消化したばかりだが、今季は異様なまでの「打高投低」のシーズンとなっている。5月15日時点でパ・リーグの平均防御率は2.90、セ・リーグは3.35と、近年で断トツに良い数字になっており、ロッテの佐々木朗希は完全試合を、ソフトバンクの東浜巨はノーヒットノーランを達成。投手陣の頑張りが目立つ状況だ。

 昨季と比べても格段に防御率がよくなったことについて、“今季の事情”を指摘する声もある。

「今季はコロナの関係で野手の打ち込みや走り込みが足りなかったのよ。オープン戦や練習試合が中止になったり、主力がコロナに感染して試合を休んだりせざるを得なかった。外国人選手が出遅れているチームも多い」

 そう話すのは、広島の正捕手として活躍した達川光男氏だ。

「ソフトバンクの柳田悠岐が肩を傷めて欠場したし、ロッテのレアードやマーティンら強打者も調整が出遅れた。パはとくに、どこのチームもケガやコロナで打線が揃えられていないよね」

 プロ野球のデータ分析に詳しいスポーツジャーナリスト・広尾晃氏も「オリックスでは吉田正尚、杉本裕太郎ら主力がコロナ感染したし、これまでスタメンに名を連ねていた打者を欠いているチームが多い」と分析する。

「日本ハムの新庄剛志監督が打線を固定しないことも大きいが、例年、打撃30傑の顔ぶれは5人前後が入れ替わっていくサイクルなのに、今年のパは11人も違うメンバーに入れ替わっている。実力ある新鋭が出てきたというより、各チームの主力が欠けているための現象です」(広尾氏)

 打者に“手負い”が多いのに対して、投手は“休養十分”のようだ。達川氏が言う。

「ロッテ・佐々木の使い方からも分かるように、登板間隔を大きく開けるようになってきた。ピッチャーは“休み肩”がいいんですよ。もちろん、基本は中6日で投げてもらわないと困るんだけど、どこの球団も“1回飛ばし”を混ぜている。

 広島は雨天中止の時にエース・大瀬良(大地)を翌日にスライド登板させず、ローテーションを1回飛ばした。オリックスの山本や宮城も中10日で投げたりした。だから、ピッチャーは全般的に元気がいいよね。一方で、バッターは休めば調子がよくなるものではない。その差が出ているんじゃないかね」

関連記事

トピックス

『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン