5月24日から交流戦が始まった。巨人の原辰徳監督はこれまで12度の交流戦を戦い、勝ち越した7度すべてでリーグ優勝を果たしているという驚異的なデータもあり、V奪還へ勝負所だ。原監督は、守備に不安がある左翼手のウォーカーをDHに回し、これまで一塁で起用されてきた中田翔を4年ぶりに左翼で起用する「超攻撃的打線」で臨む可能性を示唆している。早ければ5月27日の日本ハム戦(札幌ドーム)でお披露目になるという。だが、この原監督の発言にスポーツ紙デスクは驚きを隠せない。
「てっきり中田は古巣の日本ハム戦では起用しないと思っていました。昨年8月に日ハムの同僚選手に暴力事件を起こして巨人に無償トレードになってから、巨人側は日ハム側に配慮しているようにみえました。今年3月5~6日の札幌ドームでのオープン戦でも、それまで好調だった中田を1軍帯同メンバーから外し、別メニューで調整させていましたからね」
ただ、事件から半年以上が経過し、その間に日本ハムは新庄剛志監督、稲葉篤紀GMのもと新しいチームに生まれ変わった。オフに西川遥輝(現・楽天)、大田泰示(現・DeNA)、秋吉亮の主力3選手をノンテンダーで放出し、シーズンが始まると新庄監督は若手を積極的に起用。現在の日本ハムのクリーンナップは清宮幸太郎、万波中正、野村祐希と高卒3~4年目の若手が務めている。開幕当初こそ勝ち星から遠ざかっていたが、ここに来てゲーム差を縮め、最下位ながらAクラスも夢ではない位置につける。
こうした好調から選手の間でもわだかまりがとけつつあるのだろう。吉田輝星は、交流戦で対戦したいバッターに中田の名前をあげ、「中田さんには(日本ハム時代に)釣りに連れて行ってもらったり、すごいお世話になった。あの打席の雰囲気をマウンドで体感してみたい。僕の真っすぐがどこまで通用するのか感じたい」とコメントしている。