主演作こそ少ないが、ドラマや映画などで今、業界の注目を集めているアラフォー女優たちがいる。松本若菜(38才)、中村ゆり(40才)、幸田尚子(42才)の3人だ。コラムニストで放送作家の山田美保子さんがその魅力を解説する。
* * *
土屋太鳳主演の『やんごとなき一族』(フジテレビ系)で異彩を放つ松本若菜が話題だ。松本演じる「美保子」が、土屋演じる「佐都」をいびり倒す際の顔芸ともいうべきオーバーな表情と演技、替え歌などは、「#松本劇場」としてTwitter民の間で盛り上がっている。
そのクセツヨぶりとフューチャーのされ方は『牡丹と薔薇』(東海テレビ・フジテレビ系、2004年)の小沢真珠さながらだ。が、その前に彼女がネットで取沙汰された1月期の『ミステリと言う勿れ』(同)では強さと美しさを併せ持つ全く異なるキャラクターだった。第11話と最終話のみの登場ながら、「あの美人刑事は誰?」と騒がれた松本。小柄でファニーフェイスの伊藤沙莉と並ぶと、松本の美貌がさらに際立つとの声も多かった。
高校一年生のとき、地元・米子で女優の奈美悦子と彼女が所属する「オフィス・ウォーカー」の社長にスカウトされるも断ったというエピソードをもつ松本。その後、22歳で上京し、初オーディションで合格し、『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)で女優デビューする。
これまで本当に多くの作品で見かけたし、2017年には「第39回ヨコハマ映画祭助演女優賞」を映画『愚行録』の演技で受賞している。そして今年1月期と4月期、180度異なる役ながらブレイクを果たした松本は7月8日からスタートする『復讐の未亡人』(テレビ東京系)で連続ドラマ初主演を果たす。原作は『めちゃコミック』でランキング1位を果たし、『金魚妻』でも知られる黒澤R氏の作品。話題にならないハズがないだろう。
朝ドラ、連ドラ、CMで存在感を発揮する中村ゆり
その“テレ東”にて37歳で民放の連続ドラマ初出演を務めた女優といえば中村ゆり。2020年1月期の『今夜はコの字で』である。翌1月期の『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)でベンチャー企業の社長を演じた高橋一生の秘書であり良き理解者を演じた際には、高視聴率作品ゆえ、「YURIMARIだ!」とアイドル時代の彼女の活動を思い出した視聴者も多かった。
同7月期には、Kis-My-Ft2北山宏光と夫婦役を演じた話題作『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京系)、10月期には江口のりこ主演の『SUPER RICH』(フジテレビ系)でも難役を好演した。
そうかと思えば、2011年以降の“朝ドラ”(NHK連続テレビ小説)では『おひさま』『梅ちゃん先生』『花子とアン』『わろてんか』『エール』の5作に出演。さらには草なぎ剛と共演した『メルカリ』や、『小野薬品ヘルスケア』の「睡眠バランスが乱れがちなあなたに」「睡眠の質を向上させます」と睡眠サプリ「REMWELL(レムウェル)を訴求するテレビCMでも存在感を発揮している。
先日、エンタメ界では知らない人がいない辣腕の女性プロデューサーと話していたら、「私、中村ゆりさん大好き」と絶賛していた。松本若菜同様、誰もが認める爽やか美人。同性人気が高いという共通点もあるようで、この二人の元にはまだまだ仕事のオファーが舞い込む予感がする。