「好きなんです、イベント司会の仕事。生放送番組のようなライブ感、バラエティ番組の楽しさ、時間を守ってメッセージを伝える報道的要素もありますから」
そう語るのは、フジテレビアナウンサーとして『さんまのお笑い向上委員会』アシスタントなどで活躍し、今年4月にフリーアナウンサーへ転身した久代萌美アナ(32)だ。本誌・週刊ポストの取材時は、2025年開催の大阪・関西万博に向けたプロモーション・イベント「Warai Mirai Fes 2022」のステージを進行し、会場を明るく盛り上げた。
もともと久代アナが大学生時代に目指していた職業は、警視庁の科学捜査官。
「いわゆる『科捜研の女』ですが、私の卒業年は募集枠ゼロ。それなら就活の練習も兼ねてテレビ局のアナウンサー枠を記念受験しようか、と思ったんです」
アナウンサー志望の学生は通常、専門スクールに何年も通いノウハウを学ぶ。久代アナは短期のセミナー受講だけで試験に臨み、見事フジテレビ入社を勝ち取った。「その分、入社してからの勉強が大変でした」と振り返りつつ、以降10年間は報道からワイドショーまで幅広く経験を積み、「ひと通り局アナ仕事をやりきった」との達成感を得た。
フジテレビを退社後、次の所属先が吉本興業との発表も話題になった。
「芸人さんの多い事務所ですが、私の肩書はあくまでアナウンサー。イベント司会、バラエティ番組出演、料理番組ナレーションのレギュラーも持ち、バランスがとれた仕事内容で満足です」
目下の課題はバラエティ番組での“自分語り”だ。番組進行に徹する局アナ体質が抜けず、身の上話を楽しく伝える技術は、周りの芸人を手本に日々精進している。
【プロフィール】
久代萌美(くしろ・もえみ)/1989年10月6日生まれ、東京都出身。首都大学東京卒。2012年にアナウンサーとしてフジテレビ入社。今春3月に退社、吉本興業所属に。夫は有名YouTuberコンビ「北の打ち師達」のはるくん。特技は料理とドラム演奏、趣味は愛車の手洗い。
取材・文/山本真紀
※週刊ポスト2022年6月10・17日号