それは「自分に対して暗示を掛ける作業だった」と米田は続ける。
「キャンプでは1日300球を2~3回やり、他の日も常に150球は投げていた。この自信が大きいんです。300球を投げていると、完投での135球は半分ですからね。楽に投げられた」
近年は、先発投手が責任を果たした“合格ライン”としてクオリティスタート(6回3自責点以下)という概念も定着してきたが、「昔の阪急は2点取ってもらったらピッチャーが野手陣にお辞儀をするような貧打チーム。先発が3点も取られたら全部負けていますよ」と米田は豪快に笑った。
(第2回へ続く)
※週刊ポスト2022年6月10・17日号