新型コロナ対策の「持続化給付金」を騙し取ったとして、東京国税局の現役の職員を含め男女7人が逮捕された。そのうち、偽造した申告書類をネットで申請する役を担当していたとみられているのが、不動産会社の社員・佐藤凛果容疑者(22)だ。逮捕時の写真がネットで拡散され、「美しすぎる容疑者」などと話題を集めているが、彼女について全国紙社会部記者はこう話す。
「佐藤容疑者は警察の調べに対し、『申請に関わったが、不正受給と知らなかった。報酬は一切、受け取っていない』と容疑を否認している。逮捕された時も、顔を隠す素振りも見せず堂々としていました。警察車両に乗り込む際には、捜査員を一瞥していました。彼女が勤めていたのは、都内に複数店舗を抱える不動産会社の小さな支店ですが、およそ大規模な給付金詐欺と結びつくような仕事ではない。なぜ彼女が関与したのかなど、不明な点は多い」
彼女の素性はベールに包まれている。都内にある自宅マンションの住民は、一様に「(佐藤容疑者を)見かけたことがない」と話した。
さらに、彼女の地元・新潟の小学校の同級生らにも話を聞いたが、「(佐藤容疑者と)つながりがありません」「付き合いがなかったので知りません」と答えるのみ。あまり目立つタイプではなかったようだが、「スポーツ少女」としては記録を残している。小学校時代には、地元の市内で行なわれた小学校親善水泳大会に出場。「6年女子100メートル自由形」で7位入賞しており、タイムは1分49秒だった。
その後、大学入学と同時に上京した彼女は、今年4月に新卒で不動産会社に入社した。同社HPの社員紹介ページでは、〈幸せに暮らすためのお手伝いをさせていただきたいと考えております。お客様との出会いを大切に、幸せになっていただけるご提案をいたします〉とコメントを寄せてやる気を滲ませていたが、逮捕の2日前に退職していたという。詐欺に詳しいライターはこう話す。
「今回の事件では、詐欺グループは高校生や大学生などの若者を中心に、LINEのグループチャットを使い『暗号資産に投資すれば個人事業主になれるので、給付金が申請できる』などと説明し、不正受給をさせるメンバーを募っていたようです。
被害総額は2億円を超えるとみられていますが、グループの主犯格とされる30代の男は、現在ドバイに逃亡中です。いわゆるマルチ詐欺のやり方で、主犯格が不正受給したほとんどの金を持ち逃げしており、中核メンバー以外は120万円程度しか受け取っていなかったとされています。佐藤容疑者ももしこの詐欺に関わっていたとしたら、報酬を主犯格や中核メンバーに“中抜き”されていたのではないでしょうか」
せっかく入社したばかりの会社員人生も棒に振ってしまった形になった佐藤容疑者。一刻も早い事件の解明が待たれる。