西武、楽天との交流戦最後の6連戦を前に、巨人はウィーラーを約2か月ぶりに一軍に昇格させた。一昨年のシーズン途中、楽天から移籍したウィーラーは主にファースト、レフトを守り、時にはセカンドの守備にも就くなど複数のポジションをこなし、ムードメーカーとしてもチームを盛り上げて優勝に貢献した。
「前年の楽天時代はほとんどサードだったにもかかわらず、不平不満を漏らすことなく、献身的に働いた。終盤調子を落としましたが、序盤はコンスタントに打ってチームを上昇気流に乗せました。昨年も開幕から打ちまくって22試合連続安打を記録するなど貢献度が高かった。しかし、今年は『7番・レフト』で開幕スタメンを勝ち取ったものの、奮わなかった。打率1割6分、1本塁打、2打点で4月18日に登録を抹消されていました。その後ポランコ、ウォーカーの新外国人に目処が立ったため、二軍での調整を余儀なくされていました」(プロ野球担当記者・以下同)
今年、外国人の一軍登録は5人、ベンチ入りは4人までとなっている。8人の外国人を抱える巨人は現在、野手のポランコ、ウォーカー、ウィーラー、先発投手のアンドリース、メルセデスを登録している。
「本来ならデラロサやビエイラというリリーフを1人置いておきたいですが、指名打者(DH)の使えるパ・リーグ本拠地での開催のため、ウィーラーが上がってきた。守備に不安のあるウォーカーがDHに入り、ウィーラーがレフトで起用されそうです」
ファンの人気も高いウィーラーだが、35歳を迎えてベテランの域に入っている。この6連戦に選手生命が懸かっているといっても過言ではないという。
「ここで打てなければ、再び二軍落ちの危機が待っている。デラロサは6月3日のロッテ戦で打たれて二軍落ちしましたが、リーグ戦再開の時には一軍登録が可能になる。昨年抑えを務めたビエイラはオープン戦から不調で開幕してもから打たれ、ファーム暮らしが続いていますが、最近は調子を取り戻しており、二軍で18試合に投げて防御率1.00です。今の状態が続けば、指名打者の使える交流戦が終わった後、外国人が1人落ちてビエイラが昇格する可能性が高い。
スタメンで結果を残しているポランコ、ウォーカーの二軍降格はよほどの絶不調にならない限り考えづらいし、先発が安定しないチーム事情からして外国人先発を2人は置いておきたい。となると、ウィーラーが降格候補の筆頭です。来年の契約を考えても、この6連戦で打ちまくって、存在感をアピールしたいところでしょう」
二軍でも常時スタメン出場し、昇格の機会をうかがっていたウィーラー。西武、そして古巣の楽天戦で健在ぶりを見せつけ、巨人の激しい外国人枠争いで生き残れるか。