紫外線を長年浴び続けることで起きる“光老化”が、老化をより促進させることをご存知だろうか。紫外線量が増えるこれからの季節、正しい紫外線対策は必須だが、意外と知られていないのが“目”へのダメージだ。中目黒眼科院で、『眼圧を自力で改善するセルフケア大全』(扶桑社ムック)の著書もある眼科医の杉本由佳さんが言う。
「目はとてもデリケートな部位ですが、残念ながら日焼け止めを塗ることができません。目から紫外線が直接入ると、その情報をキャッチした脳が肌を守ろうとメラニンを作る指令を出します。そのため、直接肌に紫外線を浴びていなくても日焼けをしてしまうのです。日差しが強い夏はとくに注意が必要です」(杉本さん。以下同)
加齢に加え紫外線のダメージを受けることで目の病気が引き起こされる可能性がある。
「老眼は、水晶体の核が紫外線の影響で硬くなり、調節が効きにくくなることで引き起こされているケースも考えられます。また白内障も若いときから紫外線を浴び続けた影響が関与していることも否めません。今からでも目の紫外線対策をすることを心がけて」
サングラスはレンズの色に注意したい。目は唯一、外気に触れている臓器。日焼け止めが塗れないだけでなく、多方向から紫外線が入るため、サングラスや帽子、日傘などで徹底的にケアを。
「特にサングラスは紫外線カット率99%以上のものを。さらに薄い色のレンズを選んで! 濃い色のレンズはよく見ようと瞳孔が開いてしまうので、より多くの紫外線を取り込んでしまいます」
イラスト/きくちりえ 取材・文/近藤鈴佳
※女性セブン2022年6月23日号