ライフ

『鎌倉殿の13人』北条義時の長男は「金剛=北条泰時」ではなかった?

第23回(6月12日放送)から北条泰時役で登場する坂口健太郎(共同通信社)

第23回(6月12日放送)から北条泰時役で登場する坂口健太郎(写真/共同通信社)

 源義経(菅田将暉)、八重(新垣結衣)、後白河法皇(西田敏行)と、前半ストーリーの主要登場人物が次々と世を去り、征夷大将軍・源頼朝(大泉洋)の死期も迫ってきた『鎌倉殿の13人』。これからは主人公・北条義時(小栗旬)ら有力御家人の権力闘争が中心となる展開を迎え、八重との間に産まれた幼い息子・金剛も、後に三代執権となる北条泰時(坂口健太郎)へ成長していく様子が描かれる。だが義時の所領では、その泰時には「兄がいた」という伝説が残っている。

 伊豆の国市の江間地区。鎌倉時代には北条氏の支配下にあり、狩野川を挟んで反対側には北条時政が居を構えた北条邸跡や、北条氏の氏寺として知られる願成就院がある。北条義時が「江間小四郎」と呼ばれたことからもわかるように、江間は義時の所領で『鎌倉殿の13人』でも義時が江間を領地とすることを頼朝に所望する場面が描かれた。

 現在の江間は伊豆でも屈指の「いちご狩り」スポットとして知られ、シーズンを迎えると各地から家族連れが訪れ、駐車場は自家用車や観光バスで一杯になる。その駐車場周辺には鎌倉時代、大きな池があったと伝わる。伊豆の国市が発行する『北条家 歴史散策マップ』にはこんな解説がある。

《江間の池田(現在の伊豆中央道江間料金所周辺)には、かつて大蛇の棲む池があったそうです。北条義時の長男安千代は千葉寺への勉学のため通っていましたが、ある帰り道に池の堤を歩いていると、突然大蛇が現れて安千代を呑みこんでしまいました。知らせを聞いた義時が弓矢で戦いましたが、大蛇の両目を射ただけで、安千代を助けることができませんでした。2匹の大蛇は日守山へ向かい、男坂・女坂を越えて逃げていきました》

 千葉寺は江間の西方にあった寺。日守山は江間の北側にあり、男坂(おさか)と女坂(めさか)はその山道だ。義時に射られた大蛇が逃げた後、池の水が減って田んぼになり、「池田」という地名になったとの言い伝えもある。

 義時が建立した北條寺に祀られた阿弥陀如来像は、安千代の冥福を祈って作られたと伝わる。この北條寺の境内には義時夫妻の墓が建っているが、この夫人は正室となる「姫の前」(比奈=堀田真由)ではなく、継室の「伊賀の方」である。(大河ドラマでは菊地凛子が演じる「のえ」として描かれるとみられる)

関連キーワード

関連記事

トピックス

「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ犯から殺人犯に》「生きてたら、こっちの主張もせんと」八田與一容疑者の祖父が明かしていた”事件当日の様子”「コロナ後遺症でうまく動けず…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「本人にとって大事な時期だから…」中居正広氏の実兄が明かした“愛する弟との現在のやりとり”《フジテレビ問題で反撃》
NEWSポストセブン
デフサッカー男子日本代表が異例の活動中止に…(時事通信フォト)
【デフリンピック半年前の騒動】デフサッカー男子日本代表が異例の活動中止「監督は聴覚障害に理解があるはずでしたが……」 ろう者サッカー協会が調査へ
NEWSポストセブン
長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督からのメッセージ(時事通信フォト)
《長嶋茂雄さんが89歳で逝去》20年に及んだ壮絶リハビリ生活、亡き妻との出会いの場で聖火ランナーを務め「最高の人生」に
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「兄として、あれが本当にあったことだとは思えない」中居正広氏の“捨て身の反撃”に実兄が抱く「想い」と、“雲隠れ状態”の中居氏を繋ぐ「家族の絆」
NEWSポストセブン
今年3月、日本支社を設立していたカニエ・ウェスト(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストが日本支社を設立していた》妻の“ほぼ丸出し”スペイン観光に地元住人が恐怖…来日時に“ギリギリ”を攻める可能性
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《子どもの性別は明かさず》小室眞子さんの第一子出産に宮内庁は“類例を見ない発表”、守谷絢子さんとの差は 辛酸なめ子氏「合意を得るためのやり取りに時間がかかったのでは」
NEWSポストセブン
現在、闘病中の西川史子(写真は2009年)
《「ありがとう」を最後に途絶えたLINE》脳出血でリハビリ中の西川史子、クリニックの同僚が明かした当時の様子「以前のような感じでは…」前を向く静かな暮らし
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン