女性が“大人の付き合い”の対価として男性から金銭を貰う「パパ活」が、ついに海を越えたという。世界を股にかける日本人女性たちの生態から海外パパ活のエージェントまで、若年層の性事情に詳しい現役女子大生ライターの佐々木チワワ氏がレポートする。【全3回の第3回。第1回から読む】
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コロナ禍によって海外渡航が困難になっていた時期でもこうした海外出稼ぎの人気は低迷しなかった。日本では身バレが怖いという女性でも海外なら働けるというのも大きなメリットだが、もうひとつ海外を選ぶ興味深い理由として「『言語の壁』の逆利用」がある。
昨年から海外案件を始めたという女子大生のマリナ(仮名・21)は語る。
「言葉が全部わからない、ってめちゃくちゃ楽。日本人のお客さんだったらちょっと嫌味な言葉とかも全部伝わっちゃうし。『一緒に仲良し(セックス)しようね』みたいな気持ち悪いこと言われたら心が削られるんだけど、わからない言葉だったら何言われても傷つかないし。無知ってマジで自分の身を守る武器なんだなって思った」
年にいくつもの海外案件をこなすサユリ(仮名・27)も国内外の客層の違いを実感するという。
「海外のお客さんは『射精をする』ためにソープに来ている感覚が強くて、射精したらだいたいすぐ帰る人が多いんだけど、日本人でそれやる人ってあんまりいなくて、時間いっぱい『恋人ごっこ』を楽しもうとする人が多い実感がある」
アメリカでは特定の州を除きほとんどの州で売春が違法である。日本でも管理売春は表向きには違法であり、法の穴を潜り抜けて金銭を介して本番行為をするソープランドは、風呂屋の従業員との自由恋愛という体裁で性交渉が行なわれている。
日本ではこうした法律背景もありつつ、金銭で性的な行為を買いつつも、そこに自分の理想の女性像をはめ込んだり全体的に「ストーリー」として消費する傾向が強いように感じられる。「風俗をやっているのはかわいそうで学のない女の子」「エッチなことが好きだからこんなことをしている」「親にはこんな仕事言えないね」などの発言をする男性客がいい例である。プレイだけでなく、女性の人格までも消費される感覚に疲弊してしまう女性にとって、海外は都合がいいのかもしれない。