がんの臓器別罹患数トップは大腸がん。早期発見・治療で治るが、死亡者が多いのは内視鏡検査を嫌がる人が多いからと推察されている。そこで第3世代の鎮静剤を用い、眠っている間に検査が終了する快適な大腸内視鏡検査が人気だ。超高感度カメラ搭載の内視鏡を使って4Kの拡大画像で見えにくい場所の病変まで見つけ、小さなポリープは検査時に切除可能だ。
大腸がんは50代で患者が増え、高齢になるほど男性の罹患率が高くなる。早期発見・治療すれば治るがんだが、大腸内視鏡検査を嫌がる人が多い。理由は検査前の下剤服用の面倒や羞恥、検査時の痛みと不快感があるからだろう。それらを解消し、“快適な大腸内視鏡検査”を目指す医療機関が誕生した。
昭和大学江東豊洲病院消化器センターの浦上尚之准教授に詳しく聞く。
「検査に伴う痛みと不快感を減らすため、欧米先進国では約20年前から第3世代の鎮静剤を一般的に使っています。しかし、日本では健康保険での使用が認められていません。そこで大学の倫理委員会で承認を受け、保険適用外使用として大学が費用を負担しながら第3世代鎮静剤を使った検査を実施しています」
第3世代の鎮静剤では体重から使用量を割り出すことで、検査終了時に合わせ、すっきりと目覚めることができる。一方、従来の第2世代の鎮静剤は帰宅途中に眠くなるなど事故に繋がるケースもあった。そのため、先月開催された内視鏡学会では事故を減らす目的で、内視鏡検査における適切な鎮静剤の使用についても話し合いがもたれている。
検査で使用される大腸内視鏡は径の細いタイプと太いタイプの2種類がある。細いタイプは挿入時や大腸内移動時の痛みが少ない。ただ画質や視野角にやや問題がある。
太い径の内視鏡は先端に超高感度CMOSカメラを搭載した次世代型内視鏡システム。CMOSカメラは少ない光量で長時間にわたり検査可能で、画像も2Kから4Kと高解像度に向上している。