SDGsへの関心が高まる中、食品ロスを減らす取り組みも多種多様に広がっている。たとえば、東京都世田谷区にある「廃棄予定食品だけ」を売る『iiMaquet』というお店は、コロナ禍でも行列ができる店として話題を呼び、2号店を出店するほどの人気ぶりだ。そして大手スーパーマーケットも食品ロス対策に取り組んでいる。
イオンでは2020年11月の先行導入から現在までに、全国約360店舗で「AIカカク」を導入。コロッケや天ぷらなどの総菜を中心に、一部の日配品(毎日入荷される賞味期限の短い食品)にも活用されている。
「販売実績や天候、客数などの環境条件をAIが学習し、それに基づいて、時間帯ごとに各商品の陳列量に応じた適切な割引率を提示します。より適切な商品価格にすることで食品ロスの削減につなげる試みです」(イオンリテール広報部・大瀧和孝さん)
これまで勘と経験で悩みながら見切りシールを貼っていたが、従業員の作業効率が大幅に改善。そして割引により購買率が上がり、導入2年足らずで「前年比15%の食品ロス削減」という結果を出している。
楽しみながら&学びながら食品ロス対策に貢献!
2か月に1回、定価1万円前後の行き場を失った食品が、5000円で届く──2021年11月に本格スタートした、食品ロス対策のサブスクリプションサービス『ロスゼロ不定期便』が話題だ。
「食品ロスの発生に合わせてお届けするので、届ける日時や内容についてはお任せいただいています。お届け時に、食品ロスが発生した理由・背景やおすすめの調理法などを記した情報紙を同封。おいしく楽しみながら理解も深めていただければ」(ロスゼロ事業部長・前川麻希さん)
利用者数は事業開始から半年で2000名に。月間約5トンの削減に役立っている。
撮影/深澤慎平 取材/加藤みのり 取材・文/辻本幸路
※女性セブン2022年6月23日号