中国政府が6月6日、未成年者が刺青(タトゥー)を入れることを禁止する法令「未成年者の刺青規制に関する弁法」を施行したことが分かった。ネット上では「これは中国共産党が『未成年者保護』の名の下に若者への管理を強化する一連の措置」との声が出ている。米国を拠点とする中国問題専門ウェブサイト「博訊新聞網」が報じた。
この法令を施行したのは中国国務院未成年者保護指導小組(グループ)で、目的は「未成年者の心身の健康を守るため」で、「いかなる企業、組織、個人も、未成年者に刺青サービスを提供してはならず、未成年者の刺青を強要、誘惑、教唆してはならない。また、企業やメディアなどは、未成年者に刺青を入れるよう誘導するような内容や広告を掲載・放送してはならない」としている。
中国では、2018年から報道機関やメディアを管理する政府機関がタトゥーを規制しているほか、テレビ番組でタトゥーの映像を放送することも禁止。さらに、スポーツ部門を管理する中国スポーツ総局も中国代表のサッカー選手にタトゥーを彫ることを禁止するなど、規制が強化されている。
これに対して、米国在住の中国人人権弁護士、騰彪氏は取材に「米国では未成年者のタトゥーは、親が認めればオーケーとなっている。中国の場合、中国共産党が個人の自由著しく干渉している」と語っている。
中国では、未成年者がオンラインゲームで遊べる時間や視聴できるコンテンツも制限されている。さらに今回のタトゥー禁止令で、若者の自由はさらに奪われようとしている。